
■減価償却、経費計上、書類の収集。医師がリアルに語った不動産投資と確定申告
高い所得税率と多忙な勤務。医師は節税ニーズが大きい職業とされ、その手段のひとつとして不動産投資が語られることも少なくありません。
ただし、不動産所得が生じれば、確定申告という実務が毎年ついてまわります。
減価償却の計算、経費計上の範囲の判断、必要書類の収集。本業の合間に、どこまで自分で対応できるのか。税理士に任せるのか、それとも自分で申告するのか。
実際に不動産投資を行っている医師は、この部分をどう乗り切っているのでしょうか。
ということで今回は、不動産投資の『GALA NAVI』と共同で、事前調査で「勤務医・開業医として勤務しながら不動産投資(区分マンション含む)を行っている、または検討経験がある」と回答した医師39名を対象に、「医師の不動産投資と確定申告」についてのアンケートをおこないました。
※本プレスリリースの内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
・引用元が「株式会社NEXER Groupと不動産投資の『GALA NAVI』による調査」である旨の記載
・GALA NAVI(https://www.gala-navi.com/)へのリンク設置
・調査結果記事(https://www.gala-navi.com/column/research/c070435)へのリンク設置
「医師の不動産投資と確定申告に関するアンケート」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
調査期間:2026年9月1日 〜 9月9日
調査対象者:事前調査で「勤務医・開業医として勤務しながら不動産投資(区分マンション含む)を行っている、または検討経験がある」と回答した医師
有効回答:39サンプル
質問内容:
質問1:不動産投資の経験・状況を教えてください
質問2:不動産所得の確定申告をどのように行いましたか(行う予定ですか)
質問3:申告の手段を教えてください。
質問4:初年度の申告準備にかかった時間はどの程度でしたか。
質問5:確定申告で手間だと感じた・つまずいた点を教えてください。(複数選択可)
質問6:申告にあたって頼った相談先を教えてください。(複数選択可)
質問7:不動産会社を選ぶ際、「確定申告サポートの有無」をどの程度重視しましたか。
質問8:現在活用している資産形成・節税の手段を教えてください。(複数選択可)
質問9:このなかで最も効果を実感した手段を1つ教えてください。
質問10:節税・資産形成の手段を選ぶ際に重視した観点を教えてください。(複数選択可)
質問11:不動産投資で「想定と違った」と感じた点があれば教えてください。(複数選択可)
質問12:現在の不動産投資への満足度を教えてください。
質問13:不動産投資セミナーの参加経験と形式を教えてください。(複数選択可)
質問14:セミナーに参加して「良かった」と感じた点を教えてください。(複数選択可)
質問15:セミナーで「自分には合わなかった」と感じた点があれば教えてください。(複数選択可)
質問16:相談・契約した不動産投資会社のタイプを教えてください。
質問17:そのタイプの会社を選んだ理由を教えてください。
質問18:これから確定申告・節税を考える医師へのアドバイスがあれば教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
■回答者の33.3%が30代、28.2%が40代。46.2%が不動産を「保有中」
まず、回答した医師の年代を見ると、30代が33.3%、40代が28.2%、50代が15.4%、60代が7.7%、70代以上が10.3%、20代が5.1%となりました。30〜40代を中心に、幅広い年代が回答しています。
続いて、不動産投資の経験・状況を聞いてみました。

「保有中」が46.2%と半数近くを占めました。
「契約直前」「比較検討中」「情報収集中」を合わせた検討段階の方が20.5%、「検討したが見送り」が10.3%となっています。
以降の設問は、この39名全体を母数とした集計です。
■確定申告は「税理士に依頼した」38.5%、「自分で行った」30.8%。手段は「e-Tax(スマートフォン)」が46.2%で最多
続いて、不動産所得の確定申告をどのように行ったか(行う予定か)を聞いてみました。

「税理士に依頼した」が38.5%で最も多く、「自分で行った」が30.8%で続きました。多忙な医師であっても、3割は自分で申告していることになります。「不動産会社の申告サポートを利用した」は7.7%でした。
続いて、申告の手段を聞いてみました。

e-Taxの利用(スマートフォン・PC合計)が69.3%にのぼり、「書面を郵送・持参」は10.3%にとどまりました。
なかでもスマートフォンからの申告が46.2%と最も多く、PCの前に座る時間を確保しにくい医師にとって、手元で完結できる手段が選ばれている様子がうかがえます。
さらに、初年度の申告準備にかかった時間についても聞いてみました。

「3時間以内」と「〜10時間」を合わせると61.6%となり、初年度でも10時間以内で準備を終えた方が6割を超えました。一方で「〜20時間」「20時間超」も合わせて20.5%あり、かかる時間には差が出ています。
■つまずいた点は「必要書類の収集」43.6%、「減価償却の計算」38.5%
続いて、確定申告で手間だと感じた・つまずいた点を聞いてみました。

1位は「必要書類の収集」で43.6%でした。
計算や制度の理解より先に、書類を集めるという準備段階でつまずいているという結果です。
2位の「減価償却の計算」(38.5%)、3位の「経費計上の範囲の判断」(25.6%)は、いずれも判断を伴う項目で、税理士に相談する動機になりやすい部分だといえます。
一方で「特につまずかなかった」も23.1%あり、負担の感じ方には個人差があることもうかがえます。
さらに、申告にあたって頼った相談先を聞いてみました。

「税理士」が46.2%で最多、「税務署・確定申告相談会場」が33.3%で続きました。
注目したいのは、「生成AI(ChatGPT等)」が17.9%と、「同僚・先輩医師」(15.4%)や「書籍・Web記事」(12.8%)を上回った点です。相談先の選択肢として、生成AIが一定の位置を占めはじめていることがうかがえます。
ただし、税務の取り扱いは個別の状況によって結論が変わります。生成AIやWeb記事で調べた内容は、最終的に税理士や国税庁の公式情報で確認しておきたいところです。
■56.4%が不動産会社選びで「確定申告サポートの有無」を重視。一方で12.8%は「知らなかった」
続いて、不動産会社を選ぶ際、「確定申告サポートの有無」をどの程度重視したかを聞いてみました。

「非常に重視した」(23.1%)と「やや重視した」(33.3%)を合わせると56.4%となり、半数を超える医師が申告サポートの有無を判断材料にしていました。前の設問で「不動産会社の申告サポート」を相談先に挙げた方が30.8%いたことともつながる結果です。
一方で、そうしたサポートの存在自体を「知らなかった」という回答も12.8%ありました。検討の段階で確認しておけば、購入後の負担の見通しが立てやすくなる項目だといえます。
■活用している手段はNISAが56.4%で最多。最も効果を実感した手段でもNISAが28.2%で1位
続いて、現在活用している資産形成・節税の手段を聞いてみました。

NISAが56.4%で最多、ふるさと納税が46.2%で続きました。「特にない」は10.3%にとどまっており、多くの医師が複数の手段を組み合わせて使っていることがわかります。不動産投資を挙げた方は33.3%でした。
そのなかで、最も効果を実感した手段を1つ選んでもらいました。

ここでもNISAが28.2%で1位、ふるさと納税が17.9%で続き、不動産投資は15.4%で3位でした。活用率で見るとNISA56.4%・ふるさと納税46.2%・不動産投資33.3%ですので、利用者の多い手段が、そのまま効果の実感でも上位に来るという結果になっています。
一方で「実感できたものはない」も15.4%ありました。何らかの手段を持っていても、効果を実感できていない層が一定数いることになります。
■手段選びで重視するのは「手続きの手間の少なさ」41.0%。「節税額の大きさ」は25.6%にとどまる
続いて、節税・資産形成の手段を選ぶ際に重視した観点を聞いてみました。

1位は「手続きの手間の少なさ」で41.0%。「節税額の大きさ」(25.6%)を15.4ポイント上回りました。「本業に時間を取られないこと」(20.5%)と合わせると、手間と時間に関する観点が、節税額そのものより優先されている構図が見えてきます。
節税ニーズが大きいとされる医師ですが、実際の選択基準の上位に来ているのは、節税額より「手間の少なさ」「将来の資産価値」「リスクの低さ」でした。効果の大きさだけでなく、本業を続けながら無理なく維持できるかどうかが、判断の軸になっているといえそうです。
■「想定と違った」点は毎月の収支・空室が各30.8%。満足度は「とても満足」「満足」で46.1%
続いて、不動産投資で「想定と違った」と感じた点を聞いてみました。

最も多かったのは「特にない」で33.3%でした。
ギャップを感じた項目としては「毎月の収支」「空室の発生」が各30.8%で並び、「節税効果」も25.6%が挙げています。
購入前に想定していた節税効果と、実際の効果にずれを感じた方が4人に1人いることになります。
興味深いのは、「確定申告の手間」が5.1%と最も低かった点です。
前半の設問では書類収集や減価償却の計算につまずいた方が4割前後いましたが、それは「想定外の負担」というより、あらかじめ織り込まれていた作業として受け止められている様子がうかがえます。
続いて、現在の不動産投資への満足度を聞いてみました。

「とても満足」(17.9%)と「満足」(28.2%)を合わせて46.1%、「不満」「まったく満足していない」は合わせて7.7%でした。最も多いのは「どちらともいえない」の46.2%で、評価を保留している層が半数近くを占めています。
保有状況を見ると、「継続しており買い増した」が25.6%、「継続している」が17.9%。一方で「一部売却した」も25.6%あり、保有を続ける判断と、規模を調整する判断の両方が見られました。
■セミナー参加はオンライン形式が中心。「合わなかった」点の1位は「その場で申し込みを促された」23.1%
続いて、不動産投資セミナーの参加経験と形式を聞いてみました。

「オンラインのライブ配信セミナー」と「アーカイブ動画の視聴」がともに35.9%で並び、対面セミナー(28.2%)を上回りました。時間や場所の制約を受けにくい形式が選ばれていることがわかります。
とくにアーカイブ動画は、勤務の合間や当直明けなど、開催時間に縛られずに視聴できる点が支持されていると考えられます。
さらに、参加して「良かった」と感じた点も聞いてみました。

一方、「自分には合わなかった」と感じた点は以下の通りです。

「特になし」が38.5%で最多でしたが、挙げられた項目の1位は「その場で申し込みを促された」(23.1%)でした。良かった点で「押し付けがなかった」が15.4%挙がっていることと合わせると、その場での判断を求められるかどうかが、評価を分ける論点になっていることがうかがえます。
また「医師の事情への理解が薄かった」(17.9%)、「内容が一般論にとどまった」(15.4%)という声もありました。勤務形態や税率が一般的な会社員と異なる分、自分の状況に引き寄せて聞けるかどうかが求められているといえそうです。
■相談・契約した会社は「中堅・非上場企業」30.8%、「大手・上場企業」20.5%
続いて、相談・契約した不動産投資会社のタイプを聞いてみました。

「中堅・非上場企業」が30.8%で最多、「大手・上場企業」が20.5%で続きました。
「相談していない」も28.2%あり、未経験者や情報収集段階の方が含まれていると考えられます。
さらに、そのタイプの会社を選んだ理由についても聞いてみました。
・過去の事例と、面談をした時のお相手様の印象などから。(40代・男性/比較検討中/大手・上場企業)
・コスト以上の効果がありそうだから。情報が分かりやすく整理されていて印象に残りやすい。(40代・男性/保有中/中堅・非上場企業)
・大手だから安心信頼出来ると感じました。(40代・女性/保有中/大手・上場企業)
・医師に特化していたから。(50代・女性/未経験/医師向け実績を訴求する会社)
会社の規模そのものより、面談での印象や、説明の分かりやすさを挙げる声が目立ちました。「医師に特化していたから」という回答もあり、自分の立場を前提に話せるかどうかも判断材料になっているようです。
■これから確定申告・節税を考える医師へのアドバイス
最後に、これから確定申告・節税を考える医師へのアドバイスを、自由回答で聞いてみました。
・時間のないなかでの手続きとなるので、プロの手を借りるのも大事と思いました。(40代・男性/比較検討中)
・税理士さんにお任せするのが一番です。(40代・女性/保有中)
・信頼できる任せられる人を見つけるべき 勉強しておく。(30代・女性/保有中)
・情報をしっかり集めること。(40代・男性/保有中)
・しっかり準備してください。(20代・女性/検討したが見送り)
専門家に任せることを勧める声と、任せる場合でも自分で学んでおくべきという声の両方が挙がりました。「信頼できる任せられる人を見つけるべき 勉強しておく」という回答は、その両方を同時に示しています。
丸投げでも自力でもなく、任せる相手を選べる程度には理解しておくという距離感が、多忙な医師にとって現実的な落としどころなのかもしれません。
■まとめ
今回の調査では、医師が節税・資産形成の手段を選ぶ際に最も重視していたのは「手続きの手間の少なさ」(41.0%)であり、「節税額の大きさ」(25.6%)を上回りました。「本業に時間を取られないこと」(20.5%)と合わせると、効果の大きさよりも、本業を続けながら無理なく維持できるかどうかが判断の軸になっていることがうかがえます。
確定申告の実務では、「必要書類の収集」(43.6%)と「減価償却の計算」(38.5%)が上位に挙がりました。制度の理解より前に、準備の段階で手が止まっているという結果です。
一方で、「想定と違った」点として「確定申告の手間」を挙げた方は5.1%にとどまっており、申告の負担は、想定外というよりあらかじめ織り込まれているものとして受け止められているようです。
相談先としては税理士(46.2%)が最多でしたが、生成AI(17.9%)が同僚・先輩医師(15.4%)を上回った点も目を引きます。不動産会社を選ぶ際に「確定申告サポートの有無」を重視した方は56.4%にのぼる一方、そうしたサポートの存在を「知らなかった」という回答も12.8%ありました。
節税という言葉で語られやすい医師の不動産投資ですが、実際に手を動かしている方が見ていたのは、毎年の申告をどう回すか、そのための相談先をどう確保するかという運用面でした。
手段そのものの効果に加えて、続けられる体制を先に整えておくことが、判断の助けになるのではないでしょうか。なお、税務の取り扱いは個別の事情によって変わります。具体的な判断にあたっては、税理士や国税庁の公式情報でご確認ください。
なお、本リリースでは調査結果の一部を抜粋して掲載しています。詳細データや自由回答コメントについては、以下の調査結果記事にてご覧いただけます。
▼調査データの全容はこちら
https://www.gala-navi.com/column/research/c070435
<記事等でのご利用にあたって>
・引用元が「株式会社NEXER Groupと不動産投資の『GALA NAVI』による調査」である旨の記載
・GALA NAVI(https://www.gala-navi.com/)へのリンク設置
・調査結果記事(https://www.gala-navi.com/column/research/c070435)へのリンク設置
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