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渋谷フクラスにアート作品「渋谷猫張り子」常設 2年半かけ「安住の地」に

現代美術家・吉田朗さんと立体作品「渋谷猫張り子」

現代美術家・吉田朗さんと立体作品「渋谷猫張り子」

 現代美術家・吉田朗さんによる立体作品「渋谷猫張り子」の常設展示が8月18日、渋谷フクラス(渋谷区道玄坂1)1階の観光案内所「shibuya-san」で始まった。

外を眺める姿勢で窓側スペースに設置

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 展示場所は、バス乗り場に面した観光案内所入り口近くの窓際スペース。ガラス越しに外からも見ることができ、夜間も照明を当てる予定だという。「渋谷猫張り子」は2020年、渋谷に開業した新施設からの依頼を受け、吉田さんが制作した高さ約130センチ、重さ約40キロの立体作品。忠犬ハチ公像に敬意を払い、「渋谷の新たなシンボル」を目指して作られた。

 2022年、吉田さんの許可なく作品にラッピングシートが貼られるなどの改変が行われていたことが発覚。作品返還を求める署名運動には1万筆を超える署名が集まり、その後、作品は吉田さんの手元に戻った。約7カ月かけて修復し、2024年1月、渋谷ヒカリエ8階のギャラリーで「復活」した同作を展示した。

 復活後は、渋谷サクラステージで期間限定の展示をするなどしながら、アーティストをマネジメントするユカリアートのディレクター三潴(みつま)ゆかりさんと吉田さんが、渋谷での常設場所を探してきた。条件について、三潴さんは「美術作品は見てもらってなんぼ。不特定多数の人が気軽に見られ、渋谷駅からアクセスしやすい場所を探していた」と話す。

 渋谷サクラステージでの展示をきっかけに東急不動産とのつながりが生まれ、新たな候補地として渋谷フクラス内の同所が浮上した。渋谷駅やハチ公像に近く、1階のガラス面越しに外からも見られることが決め手になったという。

 「作品は雨ざらしにはできないが、できれば24時間見てもらいたかった。ここは駅から近く、外からも見える。願ったりかなったりの場所。外国人にも見てもらいたかったので、空港リムジンバスが発着する場所という点でも、これ以上ない」と三潴さん。渋谷フクラスの名称には「福が膨らむ」という意味が込められている。招き猫をモチーフにした作品との組み合わせについても、「最終的に、一番収まるべきところに収まったように思う」と話す。

 復活から2年半をかけて、ようやく常設場所が決まったことについて、吉田さんは「一番大きいのは、ほっとしたという気持ち」と話す。「修復していた時点では、その先に置かれる場所の確約はなかった。多くの人が応援し、心配してくれて、戻ってきて、時間をかけて直した。この作品ほど社会と関わりを持った作品はこれまでなかった」と振り返る。

 新たな展示場所についても、「宮下公園、ヒカリエ、サクラステージ、フクラスと移り、だんだんハチ公や渋谷駅に近づいてきた感じがする。多くの人が行き交う場所に猫がいられることがうれしい」と喜ぶ。

 三潴さんは「ハチ公が昔からの渋谷のシンボルなら、この子は新しい渋谷のシンボルになってもらえたら。招き猫なので、見てくれた人に幸運も届けたい」と期待を寄せる。

 観覧無料。