渋谷区は8月24日、笹塚エリアのカレー店など2店舗で、AI自律走行ロボットが公道を走りフードやドリンクを届ける実証実験を始めた。
韓国に本社を置くスタートアップ企業Neubility(渋谷区東1)と連携し、約1カ月にわたり同社の自律走行ロボット「Neubie(ニュービー)」が商品を配送する。フードデリバリーは出前館(千駄ヶ谷5)のサービスを使う。出前館が東京都内の公道で配送ロボットを採用するのは今回が初めて。
対象店舗は、「カレーショップ C&C 笹塚店」「ドトールコーヒーショップ フレンテ笹塚店」(以上、笹塚1)で、各店が入居する施設を運営する京王SCクリエイション(幡ヶ谷1)が協力。前面に目のモチーフをあしらった4輪のコンパクトな箱型のロボットに、店のスタッフが商品を入れてふたを閉じると、目的地まで商品を運ぶ。配送エリアは、対象店舗から半径約 1キロ圏内(開始時は半径 300メートル〜)。各店舗1台が稼働する予定で、開始当初は人が随行するが、その後は遠隔監視で走行する。
最高時速は7.2キロ。積載可能な重量は25キロまでで、搭載したフィジカルAIとカメラセンサーを使いながら走行。歩行者や車両、障害物などを検知した際は自動で回避・減速・停止する仕組み。走行できるのは建物の入り口手前までで、注文客は建物の前で商品を受け取る。Neubilityによると、1時間雨量30ミリまで、気温は下がマイナス20度、上は50度まで耐えられるという。
同24日には、報道向けにロボットを実際に走行させるデモンストレーションなどを行い、長谷部健渋谷区長や各社のCEOらが参加。駅前の店舗からロボットが荷物を運ぶ際には、歩行者をよけ、車道を渡る際にもタイミングを図りながらスムーズに走行する様子が見られた。
出前館では実証実験の期間中、対象の2店舗を「ロボット店舗」と呼び、ロボットを使った配送で300円オフクーポンを発行する(購入商品1,200円以上など一部条件あり)。
2020年にスタートアップ支援事業を始めた渋谷区は、これまでにも実証実験の支援や環境整備などを推進。2023年にはグローバルスタートアップ育成機関として「シブヤスタートアップス」を、東急(南平台町)、東急不動産(道玄坂1)、GMOインターネットグループ(桜丘町)と共に設立。シブヤスタートアップスは、東急東横線の線路跡地に立つ複合施設「渋谷ブリッジ」(東1)B棟に拠点を構え、Neubilityも同拠点内にオフィスを構える。
今回は、区のスタートアップ実証プログラム「Testbet City」における実証実験として採択された。都市部で自律走行ロボットを運用していく可能性や、飲食店・商業施設との連携をはじめ、配送オペレーションの課題なども検証する。長谷部区長は、今後薬局やスーパーマーケットなどにも対象を広げるなどの構想も明かし、地域の商店の販売拡大や住民の利便性向上により地域活性化につなげていきたい考え。
9月30日まで。