プレスリリース

「対話した」とは、何をしたことなのか?

リリース発行企業:リクエスト株式会社

情報提供:

「話を聞いた」「質問した」「意見を出してもらった」だけで、対話したと言えるのか。上司と部下、営業と顧客、部門間の具体例から、仕事における対話を一往復ずつ図解。
980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、仕事における「対話」を具体的なやり取りとして整理した実践ガイド、『「対話した」とは、何をしたことなのか。―相手の返答から、問い・見方・仕事の進め方を確かめ直す』を公開しました。

今回公開する報告書版は全27ページです。あわせて、要点をまとめた図解版12ページも公開します

「対話を大切にしよう」「相手の話を聞こう」と言われても、実際の仕事の中で、相手の返答を受けた後に何をすればよいのかは、必ずしも明確ではありません。
質問をして、返答を聞いていても、その後は自分が最初に考えていた説明や解決策へ戻ってしまうことがあります。

本資料では、対話を単に「話し合うこと」として捉えるのではなく、「相手の返答によって、自分の何を確かめ直したのか」というところから具体化しています。報告書でも、相手が何を答えたかだけではなく、その答えを自分がどう受け取り、どこを確かめ直したかを見ることを出発点としています。

「対話した」という言葉を、仕事の動きまで具体化する




相手が、「その部分は、少し違います」と返したとき。
重要なのは、その言葉を聞いたことだけではありません。
その返答を受けて、自分の理解、問い、見方、仕事の進め方の何を確かめ直したのか。
そこまでを見ると、「対話した」という言葉の中身を具体的に捉えられるようになります。
今回公開する実践ガイドでは、相手の言葉を受けて理解を確かめ、訂正を受け、次の問いを選び直すやり取りを具体化しています。上司と部下、営業と顧客、部門間の三つの対話例も収録しています。

対話は、「始める前」「やり取りの中」「話した後」まで続く




対話は、質問の仕方だけでは決まりません。
始める前には、
- 何のために話すのか?
- 何を変えられるのか?
- 誰が決めるのか?

を確認する。
やり取りの中では、一つの具体的な出来事を扱い、自分の理解を返し、訂正を受ける。
そして話した後には、分かったこと、まだ違うこと、未確認のことを分ける
必要であれば、追加確認、判断、保留、再開へつなぎます。
意見が変わることだけが、対話の成果ではありません。確かめた結果、従来の判断を維持すること、意見の違いが明確になること、今は結論を出せないと分かることもあります。

同じ返答でも、「次の一言」で仕事の進み方は変わる




例えば、部下から、「現場では難しいです」という返答があったとします。
ここで、「前向きに考えてください」と返せば、「本人の意欲が問題である」という見立てのまま進む可能性があります。
一方、「どの仕事で、何が止まっていますか」と確かめると、「作業の前に必要な承認が止まっている」という別の事実が見えてくるかもしれません。
同じ返答でも、次の応答によって、確かめる対象は変わります。

資料では、一つの具体的な出来事を扱う、言葉の意味を確かめる、自分の理解を返して訂正を受ける、互いの理由や前提を扱う、分からないことを残して次の確認へつなぐという五つの動きを整理しています。これらは固定された順番ではありません。

「分かりました」の前に、自分が何を分かったと思ったのかを返す




相手の話を聞いて、「分かりました」と答える。
しかし、それだけでは、こちらが何をどう理解したのかは相手には分かりません。
そこで、「私は、入力にかかる時間が問題なのだと受け取りました」と、自分の理解を一度返します。
そのうえで、「違うところや、抜けているところはありますか」と確かめる。
すると相手から、「時間より、入力後に説明し直すことが負担です」という訂正が返ることがあります。
重要なのは、「合っていますか」と確認する形式そのものではありません。
訂正を受けた後に、次に確かめることを選び直せるか。
資料では、この一往復を仕事の中で使える形まで具体化しています。

相手を理解することと、相手の案を採用することは別




対話という言葉には、「相手の意見を受け入れること」「全員が同じ結論になること」というイメージが伴うことがあります。
しかし、相手が何を意味しているかを理解することと、その案を採用することは同じではありません。
例えば、「負担が増えるためA案には反対です」という相手の理由を理解したうえで、「その理由は分かりました。私は納期への影響も重く見ています。資料を一緒に確認しませんか」と返すことができます。
相手の意味を理解しても、判断が同じになるとは限りません。
資料では、意味の理解、事実の確認、案の判断を分けて扱います。

「どう進めるか」の前に、「何のために進めるか」へ戻る




対話によって見直されるのは、説明の仕方や作業手順だけとは限りません。
システム導入を例にすると、「入力項目をどう減らすか」という問いから、「そもそも誰の、どの仕事を改善したいのか」へ戻ることがあります。
顧客担当者が、「部長は月次集計を早くしたい」と話し、現場では、「変更時の確認が負担になっている」と話している場合、この二つが同じ目的を示しているとは限りません。
そこで、「どう導入するか」の前に、「何のために導入するか」を確認する。
目的を問い直すとは、相手の「本当の目的」をこちらが言い当てることではありません。誰が何を重視し、何を変えられ、誰が決めるのかを確かめます。

「何でも言ってください」だけでは、話せる条件にならない




対話を、話す側の勇気やコミュニケーション能力だけに任せることもできません。
上司と部下、発注者と受注者、顧客と営業では、同じ発言でも、その後に負うリスクが違います。
そのため、対話を始める前に、
- 目的と権限
- 記録と共有
- 時間と方法

などを明らかにしておくことが重要です。
例えば、「今日は、見直せる範囲と意見の扱いを先に確認します」と伝える。
反対意見が出たときにも、発言したこと自体を問題にするのではなく、何を検討し、どう扱ったかを返す。
発言を招くことと、その提案を採用すると約束することも別です。
報告書では、心理的安全性やリーダーの包摂性に関する研究も参照しながら、目的、権限、時間、発言の扱いを整える必要性を整理しています。

「分かりました」で会話を終えず、何が残ったかを確認する




すべての問いに答えが出るまで、会話を続ける必要はありません。
重要なのは、終了するときに、
- 何が分かったのか?
- 何がまだ分からないのか?
- 次に何を扱うのか?

を分けることです。
資料では、対話の区切り方として、「問いを持ち帰る/追加で確認する/判断する/保留する」という四つを示しています。
「記録を確認した」ことと、「決定に賛成した」ことも同じではありません。
会話が整理できたことと、実際の仕事が改善したことも分けて考えます。手戻りが減ったとしても、それを対話だけの効果とは直ちに結論づけません。

次の対話では、一つの返答から始める




次の会議、面談、顧客との打ち合わせで、すべてを一度に変える必要はありません。まず一つ、
相手の返答を聞いたときに、自分がどう受け取ったのかを短く返してみる。
そして、「その部分は違います」という返答があれば、「では、何を確かめ直せばよいでしょう」と次へ進む。
結論が変わらないこともあります。
合意できないこともあります。
分からないことが残ることもあります。
それでも、相手の返答によって、自分の何を確かめ直せたか。
そこを見ることで、対話を「話したかどうか」ではなく、仕事の中の具体的な行動として振り返れるようになります。

報告書の最終ページでも、返答を受けた後に自分の理解を返し、訂正があれば次の問いを選び直すこと、さらに本人の工夫だけでなく仕事・権限・時間・支援の設計まで見直すことを提案しています。

27ページの実践ガイドに収録した内容

今回公開する報告書版PDFでは、図解だけでなく、仕事で実際に試すための内容を収録しています。
上司と部下、営業と顧客、部門間の不一致という三つの架空事例を通じて、一つの返答から理解がどう修正され、何が未確認として残るのかを具体的に示しています。また、話す前・話している途中に使う実践シート、話した後の振り返りシート、記入例、組織として対話を支える条件、関連研究との対応と参考文献も掲載しています。

本資料の位置づけ

本資料は、当社の既存の実践報告と関連研究を踏まえた実務提案です。
既存の実践報告の中核には、BtoB企業3社の顧客接点人材のリーダー候補、計423名に関わる実践があります。各社では7年間にわたり取り組みを継続し、企業別の訓練期間は12か月、18か月、21か月でした。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000255.000068315.html
ただし、この7年間は全員の追跡期間を意味するものではなく、423名も同一尺度で効果を測定した人数ではありません。
また、当社が研究・教育開発の基盤としている980社・33.8万人というデータと、この3社の対象は区別しています。

2種類のPDFを公開

1. 図解版|まず、対話の違いを視覚的につかむ
『「対話した」とは、何をしたことなのか。』図解版|全12ページ
「同じ返答でも、次の一言で何が変わるのか」「『分かりました』の前に何を返すのか」「理解することと採用することをどう分けるのか」など、本資料の要点を図解でまとめています。
会議、1on1、顧客との打ち合わせ、部門間の調整など、日常の仕事に置き換えながら短時間で確認したい方に向けた資料です。
▼図解版PDFをダウンロード
d68315-259-b56c1dd9f78663b974ca7b82d65bc4a7.pdf2. 報告書版|対話を、仕事の具体的な行動まで掘り下げる
『「対話した」とは、何をしたことなのか。』実践ガイド|全27ページ
報告書版では、相手の返答を受けて、自分の理解・問い・仕事の進め方をどう確かめ直すのかを、より詳しく整理しています。
上司と部下、営業と顧客、部門間という3つの対話例に加え、話す前・話している途中・話した後に使える実践シート、記入例、組織として対話を支える条件、関連研究と参考文献まで収録しています。
▼報告書版PDFをダウンロード
d68315-259-8e1af947b1cb006e3aaf2f44ee7dac60.pdf

図解で「分かる」だけで終わらせず、実際の一往復を確かめる

本資料で重視しているのは、決まった「正しい話し方」を覚えることではありません。
- 相手が何を答えたか?
- 自分はそれをどう受け取ったか?
- その返答によって、自分の何を確かめ直したか?
- そして、次に何を確認するのか。

この一往復を具体的に振り返れるようにすることです。報告書では、対話の出発点を「相手の返答の後」に置き、追加確認、判断、保留、再開までを区別しています。



組織行動科学(R)について

組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から明らかにし、より善く再現するための研究・実践体系です。

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを、研究・教育開発の基盤としています。この基盤と、今回の中核3社・423名の実地検証は、対象範囲を区別して報告しています。






リクエスト株式会社について

リクエスト株式会社は、組織行動科学(R)を基盤に、企業で働く人の行動、判断、経験形成、組織学習に関する研究と実践支援を行っています。

代表取締役の甲畑智康は、2003年に東京藝術大学美術学部を卒業後、企業の人材育成・組織開発に20年以上携わってきました。芸術における創造の過程と企業における判断形成の双方を背景に、顧客企業との長期の実地検証から得た知見をもとに、アート思考と「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」の体系化を進めています。



会社名 リクエスト株式会社
代表者 代表取締役 甲畑 智康
所在地 〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
公式サイト https://requestgroup.jp
会社概要 https://requestgroup.jp/corporateprofile
お問い合わせ https://requestgroup.jp/request