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いま「ワーケーション」の地として
式根島が注目されるワケ

「仕事」と「休暇」を両立する
ニューノーマル時代の働き方を現地からレポート!

提供:一般社団法人式根島エリアマネジメント 制作:シブヤ経済新聞/取材・執筆:二宮良太/撮影:松葉理

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夜行の大型船に乗って竹芝桟橋を発ち、横浜ベイブリッジを過ぎる頃には、すっかり日常から解き放たれた気分になる。潮風に吹かれて、離れゆく夜景をたっぷり眺めた後は、心地よい揺れに身を任せて眠りにつき、目を覚ます頃には目的地の式根島に到着。都会とは異なる時間の流れの中で過ごす、「式根島アイランドワーケーション」の始まりだ。東京から南へ160kmに浮かぶ式根島を訪れ、いまこの地がワーケーションの舞台として注目される理由を探った。

式根島はどんな島?~東京からアクセス抜群の絶景の離島

新東京百景に選ばれた神引展望台からの眺め

「アイランドワーケーション」の地として注目される式根島。まず、その基本情報を押さえておこう。式根島は、伊豆諸島を構成する島の1つ。東京都新島村に属し、新島の南西に浮かぶ、周囲12km程度の島だ。その歴史を簡単にひも解くと、長らく定住者のいない状態が続き、正式な開島は1888(明治21)年。製塩業を営む開拓者を中心に、おもに新島からの移住が進んだ。それから130余年が経過した現在の人口は、272世帯497人(2021年)。島民のほとんどはお互いに見知った関係だという。

島内で人気随一の泊海水浴場。ほかにも魅力的なビーチが多数

島内のほとんどの道は海につながっている

産業の中心は観光業で、年間来島者は約3万人。海水浴やマリンスポーツ、温泉、釣りなどを目的に訪れ、離島ならではの静ひつな環境や温かみのある島民との交流などに魅せられ、熱烈なリピーターになる人も多いのだとか。

式根島への海の玄関口

式根島への交通アクセスは、船か飛行機のどちらかになる。東京・竹芝桟橋から、大型船ならのんびりと約10時間、高速ジェット船ならスピーディに約3時間。島に車を持ち込みたいなら、静岡・下田港から約3時間カーフェリーに乗るという方法もある。飛行機を使う場合は、調布飛行場から新島まで約30分、新島からは連絡船で約15分と、あっという間だ。このように滞在日数や目的に応じて交通手段を選べるのは嬉しいが、ある程度、長く滞在できるのなら、竹芝桟橋からの大型船をおすすめしたい。のんびりとした船旅には、都会でせわしい毎日を過ごす心と体をクールダウンさせる効果があり、ゆったりと流れる「島時間」にスムーズに溶け込めるだろう。「それにしても10時間はちょっと…」とためらう人もいるかもしれないが、夜行なので船内で眠る間に着いてしまうから、むしろ時間を有効活用できるという考え方もある。

新島石山展望台のモヤイ像。背後に見えるのが式根島全景

式根島から連絡船ですぐの新島についても押さえておこう。新島というと、古くからビーチリゾートの島というイメージが強く、サーフィンの人気スポットとしても知られる。実は渋谷区との付き合いは長く、50年以上にわたり「渋谷区新島青少年センター(2019年に閉鎖)」で新島から青少年団体を受け入れるなど、長年交流を深めてきた。そうしたつながりもあって、1980(昭和55)年には新島で採掘される珍しい石「コーガ石」で造られたモヤイ像が渋谷区に寄贈され、今では渋谷駅のシンボルの1つとなっている。現在も新島には夏場を中心にリゾート目的の来島者が多く、近年の動向を踏まえて言うなら、バカンスの新島、ワーケーションの式根島というくくり方ができるかもしれない。

サーフィンの人気スポットとして有名な新島の羽伏浦海岸

島全体でデジタルシフトが進行中~都会と変わらぬワーク環境を提供

天気の良い日には海辺で仕事をすることも

式根島でワーケーションが浸透する背景にあるのが、島全体で進むデジタルシフトだ。実は式根島では、島の魅力をもっと多くの人に知ってもらうため、観光とは別に来島者を増やす目的で、2019年頃からワーケーションに適した環境づくりを進めてきた。2020年度には東京都の「ワーケーション普及促進等モデル実証事業」に採択され、島しょ地域(伊豆諸島9島、小笠原諸島2島)におけるワーケーションの魅力を発信している。そのタイミングで、新型コロナウイルスの感染拡大を機に「新しい働き方」が広がり、いま式根島が改めて脚光を浴びる格好となっている。

古民家風の一軒家に作られたコワーキングスペース

オンライン会議にも対応する個室スペース

式根島におけるアイランドワーケーションの拠点となるのは、2020年にオープンした「Shikinejima Coworking Space(式根島CS)」だ。6つのデスクに13席が設置されており、テレビ会議などに使える個室もある。デスクやチェアは可動式で、グループの人数などによってレイアウトを自由に変えることも可能だ。もしかしたら「離島なのにネットはしっかり繋がるの?」という疑問があるかもしれないが、全く心配はいらない。式根島では、2018年、海底に光ファイバーケーブルが整備され、全島でブロードバンドサービスが提供されている。しかも、人口が少なくネット回線の利用者は限られるため、むしろ都会より高速なほどだ。式根島CSでは、IPv6対応のネット環境が整えられ、Wi-Fiは上下とも200Mbps程度のスピードが安定的に出るため、ブラウジングや動画視聴はもちろん、テレビ会議などの用途でも実に快適だ。このようにワーク環境は、都会のオフィスと比べて遜色はない。

島の各所に掲出されている「フリーWi-Fi」マーク

さらに特筆したいのが、島中で利用できる「フリーWi-Fi」だ。「泊海水浴場」「石白川海水浴場」といった人気の高い海水浴場のほか、海岸温泉の「松が下雅湯」など、島内の主要スポットを中心に、現時点で13か所のアクセスポイントが設置されている。海岸のベンチでノートパソコンを開いてひと仕事したり、足湯に浸かってメールをチェックしたり、自然と同化して仕事ができるのは、まさにこの地ならではと言えるだろう。

新島村商工会の下井さん

一般社団法人式根島エリアマネジメントとともにワーケーションの環境づくりに取り組む新島村商工会の下井勝博さんは、「島全体がコワーキングスペースというコンセプトで環境整備に取り組んでいます。きっと島内に自分だけの仕事場所を見つけていただけるでしょう」と思いを語る。

島で財布を持たずに生活する快適さを味わってほしい

式根島では、デジタルシフトの一環として、数年前から「キャッシュレス推進プロジェクト」も推進している。島をあげてAirPAYなどの導入に取り組み、今では式根島CSはもちろん、宿泊施設や食堂、小さな商店まで、島内のほぼすべての店舗でキャッシュレスによる支払いが可能で、現金が必要なのは自動販売機くらいだ。財布を持たずに外に出ることに最初は少し不安を感じるかもしれないが、慣れると快適この上なく、身も心も軽くなるような気持ちになる。

式根島アイランドワーケーション参加者の声~仕事と自然体験のバランスのよい生活が魅力

11月に開催された「式根島アイランドワーケーション」に参加した企業担当者による意見交換会の様子

式根島でのアイランドワーケーションに訪れる人は、実際にはどのような過ごし方をしているのだろうか。一般社団法人式根島エリアマネジメントでは、2021年11月、渋谷区・港区の企業を対象にモニターツアーを実施し、4企業5名の参加者が1週間程度のワーケーションを体験した。参加者の皆さんに本音を聞くと、式根島アイランドワーケーションの魅力が伝わってきた。

日常の交通は自転車が便利。潮風に誘われてどこまでも走りたくなる

おのおの自由な過ごし方をする中で、多くの参加者に共通していたのが、仕事の前後や合間に自然体験を織り交ぜていたことだ。例えば、「起床してから朝食までの時間に海沿いをランニングする」「仕事に詰まったら、レンタサイクルで周辺の道をサイクリングする」「仕事後に無料で入れる海沿いの温泉に立ち寄ってから宿に戻る」といった過ごし方だ。ある参加者の1日の流れは次のとおりだ。

ワーケーション体験ツアー参加者の1日

  • 6時 起床して海沿いをランニング
  • 7時30分 朝食をとり、ひと休みしてから仕事の準備
  • 9時 コワーキングスペースに移動して仕事を開始
  • 12時 近くの食堂「サンバレー」で昼食をとる
  • 13時 仕事を再開。個人作業の合間に、数回テレビ会議を行う
  • 17時 仕事を終えて、レンタサイクルで近くの温泉に立ち寄る
  • 19時 夕食をとりながら、ほかの参加者と親交を深める
  • 22時 就寝

※モニターが宿泊した「ゲストハウス ひだぶん」は、高速Wi-Fi完備で、ワーキングスペースも整っており、仕事内容によっては宿で作業をすることもある

「心が自然を求めていたことに気付いた」と、東急不動産株式会社の北村麻依子さん

こうした自然体験は、仕事にどのような影響をもたらすのだろうか。東急不動産株式会社都市事業ユニット・スマートシティ推進部の北村麻依子さんは、「仕事に集中する間は場所のことは頭の中にありませんから、普段とあまり変わらないと思います。ただ、ひと段落して窓の外の緑が目に入ってきた時や、近くの食堂まで歩く間に潮の香りを感じた時など、ふとした瞬間に心の中に島の自然が入り込んできて、気持ちがスッと軽くなるのを感じました。そんな切り替えができるからこそ、次の仕事に集中しやすい気がします」と話す。

島のコンビニ的存在である「池村商店」。

池村商店の人気は、3つの味(きなこ・明日葉・シナモン)の「あげパン」。

都会と島では、街の光景は大きく異なる。島内には、コンビニはないし、チェーン店はないし、ランチをとれる食堂は一軒しかない。都会で生活するマインドのまま過ごすとしたら不便を感じてしまいそうだが、そうした環境をどう感じているのだろうか。北村さんは、「毎日カフェに寄るのが習慣だったため、最初は物足りない気持ちがしました。ところが数日立つと気にならなくなり、むしろ食堂が一軒しかないような環境のほうが、あれこれ迷う必要がなくて楽だな、と。島の生活に慣れると、思考がすっきりして、いま必要なことに専念しやすいと感じます」と述べる。

式根島でお弁当といえば、ファミリーストア「みやとら」の「島のり弁」

魚のすり身でごはんを包んだ「たたき丸」も人気

選択肢が少ないからこそ、目の前のことに集中できる。それは、人間関係においても同じことかもしれない。都会では大勢の人とすれ違っても会話を交わすことはほとんどない。一方、島では道を歩く人はまばらで、会話をする相手も限られる。だからこそ、商店で買い物をする時、海岸で見知らぬ人に会った時、宿で食事をする時など、ちょっとしたきっかけから会話が弾んで交流は深まっていく。下井さんは、「島民は人懐っこいのが特長で、島外から訪れた人と見るや喜んで話しかけます。最初はちょっと驚くかもしれませんが、きっと人の温かみを感じてもらえるでしょう」と話す。

アイランドワーケーションの醍醐味~仕事の息抜きに大自然に飛び出そう!

式根島でのダイビングはウミガメとの遭遇率の高さで有名、

式根島に滞在する大きな楽しみが、大自然の中でのアクティビティだ。午前は仕事に集中し、午後はアクティビティで息抜きをするといったメリハリをつけた過ごし方も良い。離島ゆえにおすすめのアクティビティは、なんといってもマリンスポーツ。中でもダイビングは、一面に広がる色鮮やかなサンゴやたくさんの魚達に出会えるとあって人気が高い。

ダイビング準備する北村さんたち

北村さんは、「体験ダイビングなので、それほど深い場所まで潜りませんでしたが、大きなウミガメが現れてびっくり。ほかにも、色とりどりの魚がとてもきれいでした」と話す。今回モニターが宿泊した「ゲストハウス ひだぶん」でも、ダイビング機材のレンタルや体験ダイビングを行っている。もう少し手軽に、という人には、シュノーケリングもおすすめ。「中の浦海水浴場」「泊海水浴場」などシュノーケリングに適したポイントは数多い。

釣り好きなら思わず糸を垂らしたくなる場所が島中にある

島の西側にはハイキングコースが整備されたエリアもあり、山歩きやトレイルランニングも楽しめる。コースに沿っていくつもの展望台が設置されていて、そこからの眺めは絶景そのもの。また、ランニングやサイクリングも気軽なアクティビティだ。島をぐるりと一周する道路はないが、ほとんどの道が海につながっていて気持ちよく走れる。島内の道は結構アップダウンがあるため、レンタサイクルは電動自転車がおすすめだ。

松が下雅湯では、足湯に浸かりながら作業ができる

式根島を満喫する上で忘れてはならないのが、温泉だ。24時間無料で入れる海沿いの「松が下 雅湯」「地鉈(じなた)温泉」「足付(あしつき)温泉」(いずれも水着着用)のほか、屋内温泉施設の「憩いの家」もある。

秘湯と呼ぶにふさわしい地鉈温泉。満天の星空の下で湯浴み

実際、夜間に「松が下 雅湯」に入ってみると、ほのかに照らされた湯処は風情たっぷり。潮騒を聞きながら満天の星空が眺められ、1時間のうちに5つも流れ星を見つけることができた。「地鉈温泉」「足付温泉」は、ともに海岸にある露天風呂で、高温の源泉が海水と混じり合って湯加減がちょうど良い場所を探して入るという、なんとも野趣あふれる温泉だ。

1日完全オフの日があれば、連絡船で15分の新島に渡るのもいいだろう。マリンスポーツやトレッキング、釣りなどのアクティビティのほか、コーガ石を使ったガラスアート体験なども人気だ。

閑散期の長期滞在がおすすめ~チーム単位、個人単位のどちらも対応

式根島のアイランドワーケーションを取材して感じたのは、ある程度、長期の滞在が望ましいということだ。2泊3日程度ならあっという間に時間は過ぎ、ようやく島に慣れ始めた頃には終了となる。3泊4日、もっと言うと1週間以上滞在できると、ゆったりした島時間の流れに合わせた生活パターンを確立して、仕事とアクティビティのどちらも充実させられるだろう。式根島には、30軒ほどの宿があり、現時点で5軒がワーケーションの長期宿泊にも対応している。

民宿「きろく」を切り盛りする青沼和美さん

その1つである民宿「きろく」は、ご主人が漁師とあって鮮度の高い海の幸が自慢の宿。女将の青沼和美さんは、「仕事の進め方に合わせて食事のタイミングなども柔軟に対応します。海まで車でお送りするなど、アクティビティもサポートします」と語る。式根島では、今後もワーケーション対応の宿を拡大させていく予定だ。

アイランドワーケーションは、チーム単位、あるいは個人単位のどちらのケースも想定できる。例えば、プロジェクトチームの結成初期にチーム単位で来島し、仕事時間はミーティングや作業に集中して、オフタイムは懇親の場を持ったり、アクティビティの時間をともにしたりすると、チームビルディングの大きな効果が得られそうだ。「プロジェクトの方向性を決める」など、大きなテーマや課題を持ち込み、数日にわたりチームでしっかりと議論するといったケースにも向いているだろう。一方、個人のワーケーションは、おもに2通りのスタイルが考えられそうだ。1つは、しっかりと仕事を持ち込み、「缶詰め状態」で集中したいケース。この場合、コワーキングスペースを利用してもいいし、もっと静かな場所で集中したいなら、Wi-Fi対応の宿にこもって作業をする方法もある。美しい自然に囲まれた環境で、適度に息抜きしながら仕事がはかどるだろう。もう1つは、どちらかというとバカンスに重点を置き、仕事もするが、アクティビティもしっかり楽しみたいというケースだ。式根島はコンパクトなので、アクティビティのスポットまで、レンタカーやレンタサイクルですぐにアクセスできるから、半日仕事、半日遊びといったスケジュールも立てやすい。

一般社団法人式根島エリアマネジメントでは、アイランドワーケーションの期間は、10月から4月の6カ月間を想定している。これ以外のシーズンは、観光のオンシーズンで宿の予約が取りづらく、各所に人が多くなるため、仕事に集中しづらいと考えているからだ。

アイランドワーケーションに興味のある渋谷区在住者には、耳よりの情報がある。渋谷区では、2021年11月より、「新島村渋谷区観光文化交流協定」に基づき、渋谷区在住者に対して、新島村への旅行費用の一部をキャッシュバックする制度を設けている(1泊につき8000円/上限3泊)。この制度を活用すれば、かなりお得に式根島でのワーケーションを体験できる。さらに今後、一般社団法人式根島エリアマネジメントでは、渋谷区と港区の企業を対象としたアイランドワーケーションのツアーなどを企画する予定だ。これからも式根島ではアイランドワーケーションの利便性の向上を図り環境整備に力を入れていく考えを示している。「新しい働き方」を模索する中で興味があったら、ぜひアイランドワーケーションを選択肢の1つに入れていただきたい。

のんびりと船に揺られて日常に戻っていく

島民の皆様に見送られて。また必ず来ようと心に誓う

編集後記

式根島に滞在中、「離島」でワーケーションを体験する意味を考えていた。都心から車で数時間の便利な場所でワーケーションをする場合と、離島とでは、どのような違いがあるのだろうか、と。離島は空間的に隔絶されているから、急には家に帰れないし、欲しい物を思いついても島内になければ我慢するしかない。最初はそうした制限のある環境に心細さを覚えたが、慣れるにつれてある種の諦めが生まれて、選択肢の少なさは全く気にならなくなった。同時に、余計なものがないからこそ、「どこに行こうか」「何を買おうか」といった雑念が生まれず、シンプルに思考して「いまするべきこと」に集中しやすいことに気付いた。そうした時間の中にいると、つねに急き立てられるように過ごしていた都会での生活が、どこか遠くの光景のように思えてくる。都会とは海を隔て、つながりが絶たれた離島だからこそ、普段の生活からきっぱり離れて、自分を振り返る機会になりやすいのだろうと感じた。

式根島でアイランドワーケーションに興味のある方は、下記までご連絡ください、企業・個人でも構いません。

お問い合わせ先:
一般社団法人式根島エリアマネジメント

メール:
areamanagement@shikinejima.jp

電話:
090-3045-9701(担当:下井)

Shikinejima Coworking Space

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