渋谷エリアで人気のカフェ「Dexee Diner(デキシーダイナー)」は8月6日、3号店となる「Dexee Diner渋谷松濤店」(TEL 03-5790-2944)をオープンした。同店は東急百貨店本店裏手にある「松涛EAST」ビルの1、2階で、席数は60席。「新たな街食堂」をブランドコンセプトに、様々な利用動機に応える店舗を目指すもので、2階にはバーも備え夜はアルコール類も楽しめる。同社コミュニケーション部の田中さんによると「オープン以来の客層は20代半ばから30代前半の女性が多く、同店オリジナルの『ベーコンエッグライス』(880円)が人気のメニュー」と話す。客単価はランチ1,000円、ディナーは1,500円。「Dexee Diner」は今年6月15日にも2号店を恵比寿プライムスクエアに出店したばかり。
デキシーダイナー桜丘町には6月27日、「Deux et neuf cafe(ドゥーエヌフカフェ)」(TEL 03-5459-4959)がオープンした。同店の経営を手掛けるイーストミーツウェストは、1999年6月、恵比寿の雑居ビルに「neuf cafe(ヌフカフェ)」(恵比寿)をオープンして以来、「リビングルーム」をテーマに「Nid cafe(ニドカフェ)」(南青山)、「eau cafe(オゥ・カフェ)」(代官山)、「神南SALON」(神南)、「riz」(神宮前)などを次々と展開している。店内は約10坪と広くないが、独自の空間演出でカウンター、アンティークの椅子やソファを配置し、既存店でも人気のある子羊のカレー(900円)、タイ風ココナッツグリーンカレー(900円)、インド風スパイスカレー(900円)などのメニューを提供する。店長の金村さんによると「周辺にオフィスが多いこともあって、ビジネスマンから若いカップルまで年齢層が広い」と言う。
代官山でクラブ「Air(エアー)」やカフェ「FRAMES(フレイムス)」などを手掛けるグローバル・ハーツは8月5日、宇田川町にあるシネマライズ隣の国際ビル2階に、カフェ「FRAMES SHIBUYA」(TEL 03-6415-6822)をオープンした。同店は代官山のカフェ「フレイムス」の2号店となるもので、店舗面積60坪、席数は75席。メニューははパスタやアジア料理、カレーなどの無国籍料理を提供する。
FRAMES空間プロデュースや「CUBE ZEN」などの飲食店経営を手掛けるキューブ(北青山)は8月1日、明治通りの沿いにオープンしたイタリアのデニムカジュアルブランド「MISS SIXTY」のブティックに併設して、カフェバー「MISS SIXTY cafe」(TEL 03-5464-1428)を明治通り沿いにオープンした。通常のカフェスペースは20平米34席だが、隣接するブティック閉店後の20時30分からはブティックスペースに24席、ブティックのシアタースペースに6席を展開し、ラウンジバーに「変身」させるコラボレーション展開を図っている。逆に、ブティック閉店後も「MISS SIXTY」の一部の商品を買うこともできる。ミラーボールが照らし出す店内の内装はオレンジや黄色などを基調としたレトロフィーチャースタイルでデザインされ、「MISS SIXTY」のイメージにマッチされている。メニューはパニーニやブルスケッタ、パスタ、ピッツァ等のイタリアンを提供するもので、客単価は1,500円。「MISS SIXTY」は8月22日にも、ラフォーレ原宿内にオープンを予定しており、明治通りを中心に話題づくりを進めている。
MISS SIXTYcafe今年3月、宇田川町にオープンしたレコード・CDショップ「QUINTRIX DISC LOUNGE」(TEL 03-6415-6678)の一角には8席のカフェ&バースペースが設けられている。同店にはDJやオーガナイザー、エレクトロニックミュージック愛好者などが訪れ、試聴ブースをはじめ店内のどこでもドリンク類が楽しめる。人気のメニューはドイツから直輸入したミックスハーブティーで、効能別に7種類を揃えている。同店店長の藤代さんによると「カップルで来店の場合、レコード・CDを買い求めるのは男性客が中心のため、その間、店内のカフェで女性がゆっくり待つことができる」点や「カフェの利用客がついでにレコードやCDを買って帰る例が多い」など、専門性の高いショップとカフェが相乗効果を生み出している。
QUINTRIX DISC LOUNGE「エスキス表参道」3階には6月14日、ナチュラル&ヘルシーデリ「theory cafe(セオリーカフェ)」(TEL 03-5766-2046)がオープンした。アパレルブランド「theory」を手掛けるリンク・インターナショナルが初めて手掛ける飲食店となるもので、エスキスの3階に同ブランドのブティックを展開している。店舗面積は50坪、席数はテラス30席、店内30席で、店舗の半分をテラスが占める。ターゲットは同ブランドと同じ20代の働く女性。同社プレスの青木さんは「天候が悪くなければ圧倒的にテラス席の人気が高い。テラス席にはカウンター席もあるので女性のひとり客の利用も多い」という。メニューは、フレッシュ100%ストレートジュース(500円)、好みの具材のドレッシングを選び、その場でスタッフが和えるサラダ(700円)、野菜を中心にしたデリカテッセン(650~850円)などで、ファーストリテイリングが手掛ける「SKIP」の野菜や果物などを使っているのが特徴。価格はランチが1,000円から、ディナーが2,000円から。
ギフト雑貨の「レイジースーザン青山店」はオープン以来22年目を迎えた今年6月20日、既存店と青山通りをはさんだビルの1~2階に移転し、リニューアルオープンした。オープンに合わせて、ニューヨークで人気のイタリアンスタイルのバール「VIA QUADRONNO AOYAMA(ヴィア・クアドローノ青山)」(TEL 03-5772-9825)をオープンさせた。同社が新しく設立した「LSダイニング」が運営を手掛ける。「約30年前、ミラノにある小さな通り(=Via Quadronno)にパニーニショップVia Quadronnoがオープンした。その後ニューヨークにオープンし、エスプレッソとパニーニが高い人気を集めている。レイジースーザン企画広報室の古城(こじょう)さんによると、同店一番人気のパニーニはイタリア産のプロシュート、ルッコラ、えびなどをピンクソースで味付けした「テンタッチオーネ」。青山店は、昨年12月に汐留にオープンした国内1号店に次ぐもの。
VIA QUADRONNOウエディングプロデュースやギフト&ファニチャー事業などを手掛けるモックは7月5日、表参道ハナエモリビル2階のインテリアショップ「ラ ユンヌ 表参道」に併設して、1階にドルチェカフェ「ラユンヌ カフェ」(TEL 03-6418-1132)をプレオープンした。席数は36席。同店は、ライフスタイルに合った家具をコーディネーターがセレクトする提案型のインテリアショップで、カフェは代官山「カノビアート」の植竹隆政シェフがプロデュースした。既にオープンしている完全予約制の銀座店、横浜店などとは異なり、同店は一般が立ち寄れるフラッグシップショップを目指している。1階のカフェでは壁面にアートスペースを設け気鋭のアーティスト作品を月替わりで展示するもので、オープニングは「ユニットWASABI」で活躍中の美術作家・日比野貴之氏による現代アートが展示されている。グランドオープンは8月29日。
ラユンヌカフェ1998年に表参道にオープンし、2002年9月一時閉店したアジアンデザートカフェ「DESSERT CONPANY(デザートカンパニー、通称:デザカン)」(TEL 03-3400-7507)が8月1日、神宮前6丁目の一軒家(元ギャラリーロケット)に再オープンした。同店は建て替えのため2年間の限定オープンとなるもので、1階にテイクアウトカウンターを設置、2階は利用者が席を自由に配置できるフリーフロアで構成され、デザートのほかに各種フードメニューも提供する。また19時30分以降は10名までの小さな集まりなどに対応する貸切りサービスも新しい試みとして実施している。同店を手掛けるデザートカンパニーオフィスの塚本さんによると、利用者の年齢層は20代半ばから30代が中心で、テイクアウトは女性が多いと言う。テイクアウトでは「胡麻プリン」「杏仁豆腐」、イートインでは3種類の「フォー」の人気が高いそうだ。気になる同店閉店後の予定は現時点では未定。
デザートカンパニースペシャルティグリーンティーショップ(緑茶専門店)を展開する「クーツグリーンティー」は8月12日、2号店となる「KOOTS GREEN TEA原宿店」(TEL 03-5469-3300)を神宮前6丁目の明治通り近くの場所にオープンした。同店を手掛けるフードエックス・グローブはタリーズコーヒーの持ち株会社でもある。同店はセルフサービススタイルで各種グリーンティーや和風デリ、和洋スイーツを提供するもので、店舗面積は52坪、席数は66席。同店が手掛けるフードエックス・グローブの大島さんによると「1号店は城山ヒルズ(神谷町)に出店したためビジネスマンが多かったが、2号店となる原宿では『休日』の利用をイメージした」と話す。周辺で働くアパレル関係者の利用も多いそうだ。メニューは、「抹茶ストレート」「抹茶ラテ」「クロミツラテ」などのドリンク類の他、和風素材を使った10種類のデリ(180~350円)や手握りによる11種類のおにぎり・こにぎり(80~190円)などを用意する。日替わりで提供する「本日の煎茶」は急須を使って一煎目のみを提供するこだわりだ。
KOOTS GREEN TEA最近では、数年来のカフェブームは一段落したかに見えるが、現実には着実にその新陳代謝が進んでいる。改めて今年のカフェの進化形態を分類すると以下のように考えられる。
特に今年前半で目立ったのは 2. の「併設」系の増加。神宮前エリアを中心にアパレル、インテリア・雑貨共に、移転改装や新規出店を機にカフェ空間を併設しており、上記の例でもわずか3ヶ月(6~8月)の間に5店舗がオープンしている。併設と言っても単なるドリンクバーである店はなく、メニューやドリンクなどのフードメニューに相応のこだわりを見せ、ビジネス面でも独立しているのも特徴的だ。ショップ側にとってカフェ併設のメリットはどこにあるのだろうか?集客力向上に一役買うのはもちろん、多くの商品が並ぶ店内にカフェがあることでブランドにある種の「余裕」を感じさせ、さらにフードメニューや音楽といったカフェの要素をショップ全体のイメージ戦略に活用するといった側面が大きい。新陳代謝を繰り替えしながら増殖を続けるカフェは、単なる飲食店の枠を超え、広域渋谷圏の路面店パワーを支える要素として今や欠かせない存在となっている。