東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)3階展示室で現在、写真家(写真師)下岡蓮杖の大回顧展「没後百年 日本写真の開拓者 下岡蓮杖」展が開催されている。
絵師として活動していた下岡(1823-1914)は、1844(弘化元)年に出合ったダゲレオタイプ(銀板写真)の肖像写真をきっかけに写真家を目指す。写真技術を習得するためアメリカ人写真家ウィルソンに写真を学び、1862(文久2)年に写真館を開業。当初は技術的な面や薬剤の調合などに苦労したというが、技術・経営共に安定すると、日本の風俗・風景・人物をモチーフにした名刺判写真などを手掛けた。1876(明治9)年ごろまで写真家として活動後、再び絵師として絵画を制作。92歳で亡くなった。
初の大回顧展となる同展。海外から初出品される名刺判写真を収めたアルバムやステレオ写真(立体写真)、同館が所蔵する名刺判写真コレクション150点のほか、絵画や工芸品などを中心に約280点を展示。場内は狩野派絵師時代の「写真師以前~第一期絵師時代~」、「写真師時代」、文献なども並べる「写真師以降~第二期絵師時代~」で構成する。
会期中、担当学芸員による通常の展示解説に加え、英語解説を実施。パネルディスカッションや個展技法ワークショップも予定。詳細は同館ホームページで確認できる。
開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、入館は閉館の30分前まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。入館料は、一般=700円、学生=600円、中高生・65歳以上=500円ほか。7月21日まで(4月7日に展示替え)。