渋谷・スペイン坂上のミニシアター「シネマライズ」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-0051)で12月21日から、現代美術家・篠原有司男さん篠原乃り子さん夫婦のドキュメンタリー「キューティー&ボクサー」が公開される。
有司男さん(通称=ギュウちゃん)は1932(昭和7)年東京生まれ。1960(昭和35)年芸術グループ「ネオダダズム・オルガナイザーズ」を結成。反芸術のアクション・アートで注目を集める。1969(昭和44年)に渡米。乃り子さんは1953(昭和28)年富山生まれ。1972(昭和47)年に美術留学で渡米、6カ月後に有司男さんと出会う。1974(昭和49)年に長男アレックス・空海さんを出産。2人は1986(昭和61)年からニューヨーク・ブルックリンで暮らしている。
4年の歳月をかけて撮影された同作。当初、有司男さんに焦点を当てて撮影していたが、メガホンを取ったザッカリー・ハインザーリング監督が乃り子さんの「キャラクターに魅せられ」、乃り子さんも撮影対象として重きを置くようになった。二人展に向けたそれぞれの創作活動現場はもとより、「生活費の工面に頭を悩ませる」2人の姿など夫婦の日常、関係性を収めた。
ハインザーリング監督は1984年生まれ。テキサス大学で哲学と映画研究の学位を取得。アメリカのケーブル放送局HBOで長編映画に取り組み、アソシエイト・プロデューサーとカメラマンなどを担当したドキュメンタリーがエミー賞3部門を受賞するなどしている。長編映画デビュー作となる同作はサンダンス映画祭ドキュメンタリー映画監督賞を受賞しているほか、第86回アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞長編部門にエントリーされた。
初日の10時30分の回上映後と12時45分の回上映前には、有司男さん、乃り子さんらが登壇し舞台あいさつを行う。