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バルコニーTV、渋谷のビル屋上でライブ収録-屋外ならではの動画を配信

渋谷の街の真ん中で熱唱する「NAADA」ボーカル・RECOさん

渋谷の街の真ん中で熱唱する「NAADA」ボーカル・RECOさん

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 渋谷・公園通り沿いのビル屋上で7月30日、ウェブ音楽チャンネル「BalconyTV Tokyo(バルコニーTV東京支局)」のライブ収録が行われた。ユーチューブ上で展開する同チャンネルは、メジャーの流通網には乗らないインディーズアーティストに向けた新しい音楽専門メディアとして注目され始めている。

渋谷パルコを背景にビル屋上でライブ映像を撮影する様子

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 2006年にアイルランドのダブリンで開局した同チャンネルは、ニューヨークやロンドンをはじめ、バルセロナ、シドニーなど世界40都市以上に支局を持つ。アジア圏ではデリー、ソウルに支局を持ち、昨年10月に東京支局が開局したばかり。インディーズアーティストや新人ミュージシャンが「バルコニー(または屋上)」をステージとして楽曲をライブ演奏するスタイルで統一された音楽専門チャンネルだ。今年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞し、「フジロックフェスティバル2013」にも登場したマムフォード・アンド・サンズ(Mumford & Sons)も、デビュー前から同チャンネルに出演していたバンドの一つとして知られる。

 東京支局は、ITサポートサービスを展開するコスモ・サイエンティフィック・システム(新宿区)が動画事業の一環として運営を手掛ける。撮影は月1回、公園通り沿いの同ビル屋上で行う。毎回5組ほどのアーティストが参加し、1組のアーティストが1曲10分以内でライブ演奏。制作チームはMCを務めるアニサさんに加え、カメラマン、音響2人、ディレクターの計5人の小規模構成。撮影したライブ映像はほとんど編集を加えずにニューヨーク本部に送り、最終チェック後にユーチューブで配信される。

 同チャンネルの看板MCのアニサさんは「さまざまなジャンルの素晴らしいアーティストたちに出会え、生演奏の躍動感が動画からもきっと伝わっていると思う。天気のいいとき、夕日、夜景、寒さ・暑さなど時間帯や季節感が感じられるのも屋外ならでは」と、その魅力を語る。

 開局から約9カ月間で参加した日本人アーティストは延べ約30組、ライブ映像は約40本を数える。視聴者はお気に入りのライブ映像に「LIKES」を押すことができ、その数に応じて「TOKYO CHARTS(トーキョーチャート)」としてアーティストをランキングする。世界配信するライブ映像には日本のみならず、世界各国から感想やコメントが寄せられる。「『何を言っているか分からないけど、すごくいい』などのコメントも多く、音楽のクオリティーが高ければ歌詞が分からなくても気持ちは世界に伝わる」と東京支局でPRを担当する佐貫綾美さん。

 同日、ライブ撮影に参加したポップスユニット「NAADA(ナーダ)」のボーカルRECOさん、MATSUBOさんは「渋谷の真ん中で大きな声や音を出すのは不思議な感じ。ライブハウスは壁があるが、バルコニーTVはそれがなく開放感があって気持ち良かった」と演奏後に笑顔を見せた。開局時は恵比寿駅近くのビルのバルコニーで撮影していたが、周辺から騒音によるクレームが入り移動を余儀なくされたという。「渋谷はストリートミュージシャンも多く、音楽に対して寛容な街」というイメージから、現在の場所を拠点に選んだという。

 佐貫さんは「東京支局はまだ認知が低いが、バルコニーTVダブリン出身者が今年グラミーを獲得したように、近い将来、東京出演アーティストからグローバルスターが生まれてくれれば」と期待を寄せる。

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