渋谷・宇田川町のミニシアター「アップリンクX」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)で7月27日から、ドキュメンタリー映画「最後の吉原芸者 四代目みな子姐(ねえ)さん 吉原最後の証言記録」が公開される。
吉原遊郭の芸者「みな子姐さん」を追った同作。みな子さんは1919(大正8)年北海道生まれ。9歳の時に家族とともに上京し、11歳で吉原の芸者屋に奉公して以来、吉原芸者として生きる。2010年に90歳で亡くなった。撮影・編集・制作を手掛けたのは江戸文化研究者の安原真琴さん。1967(昭和42)年生まれ。2005年7月~2010年1月にかけて撮影した。
同作では、みな子さんのインタビューを通じて350年以上続いた吉原遊郭の歴史やしきたりを紹介。拳遊びの一種「虎拳」、吉原では9月に座敷で披露されていたという「菊慈童(きくじどう)」、太鼓持ちの芸「どうぞ叶(かな)えて」など20の芸も収めた。
期間中は連日、トークショーやワークショップなどを行う。安原監督をはじめ、立教大学名誉教授で遊郭研究者の渡辺憲司さん、太鼓持ち・桜川七好さん、落語家・三笑亭夢花さん、写真家・都築響一さん、ドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤さんらが日替わりで登壇。歌舞伎囃子(ばやし)望月流宗家長女の望月太佐衛さんによる演奏や、江戸時代から続く遊び「投扇興(とうせんきょう)」の紹介なども予定する。
トークショー・ワークショップ込みの鑑賞料は、一般=1,500円、学生1,300円ほか。8月9日まで。