渋谷区は7月7日、表参道に面したキャットストリート入り口にシンボル像「ヨンデル」を設置した。
除幕式に参加した彫刻家・吉野毅さん、桑原敏武渋谷区長、堺屋太一さんら
地域住民ら有志により寄贈された同像。渋谷区は昨年、地元住民である作家で経済評論家の堺屋太一さんが会長を務める「渋谷エコタウンプロジェクト実行委員会」協力の下、裏原エリア~キャットストリートや、表参道ヒルズ(渋谷区神宮前4)東側に「次世代型ハイブリッドLED街路灯」を設置。堺屋さんらが同プロジェクトを進める中で、「記念撮影や待ち合わせをするシンボルを作って街を明るくしたい」という声が上がったことから同像の設置が決まり、「ヨンデルプロジェクト実行員会」が立ち上がった。
表参道・原宿エリアには、表参道ヒルやラフォーレ原宿(神宮前1)、竹下通りなど「街を象徴する」商業施設や通りは存在するものの、「並んで記念撮影をうるようなモニュメント(=等身大のシンボル)」はなかった。「ヨンデル」像は街の新たな文化的シンボルと位置付け、観光目的の一つになるような存在を目指す。
「未来、希望、夢、愛、繁栄、創造」などのキーワードから堺屋さんが「街への思い」を込め作った詩を基に、像の制作を彫刻家の吉野毅さんに依頼。吉野さんは街を歩き試作を重ねたが、「多くの人に芸術作品に触れてほしい」という思いから、2011年度日本芸術院賞を受賞した東洋人の女性像を提供することに決めたという。ヨンデル像の高さは台座を含め2メートル30センチ(うち像は1メートル70センチ)。台座には堺屋さんの詩を刻印した。今後は、クリスマスや正月、地域の祭りなど、季節・イベントに合わせ衣装を着せ替えるという。
当日同所で行われた除幕式には、堺屋さん、桑原敏武渋谷区長、銅像設置にあたり資金を援助したAOKIホールディングス(横浜市都筑区)青木擴憲(ひろのり)会長、吉野さん、八木原保原宿神宮前商店会会長らが出席。
桑原区長は「素晴らしいプレゼントを頂いたことに心から喜んでいる。ヨンデル像がシンボルとして、また都市文化の情報発信として大切にしていけば、きっと地域の発展につながると信じている」とあいさつ。吉野さんは「ヨンデル像を愛してやってください。(この像は)幸せな彫刻」と喜びを表現した。
銅像が浸透していくには「地域の人にかわいがってもらう」「東京の名物になる」「世界的に有名になる」ことが必要と話す堺屋さん。「皆さんに愛していただき、社会に貢献できるよう活用いただければ」と期待を込めた。八木原保原宿神宮前商店会会長は「原宿・表参道は(ファッション的に)世界でも知られている街。ヨンデル像が注目されれば、ファッション業界にも援軍となると思う」とも。