渋谷・明治通りのオフィスビル「渋谷Rサンケイビル」(渋谷区渋谷3)に6月1日、クラウドソーシングサイト「Lancers(ランサーズ)」を運営するランサーズが本社を移転する。
クラウドソーシングは、クラウド(群集)とソーシング(業務を委託する)の造語で、不特定多数の人にインターネットを通じて業務を委託する新しい雇用形態。同社は2008年に創業して以来同サイトを展開してきた。現在の会員登録数は約14万人。5月21日には、グロービス・キャピタル・パートナーズ、GMOベンチャーパートナーズを割当先とする第三者割当増資に合意し、総額約3億円を調達することも発表している。
同社は川崎で創業。1年ほどでして鎌倉に移転した。同社の仕事受発注案件のうち7割が都内からの依頼ということもあり、渋谷へ移転することで都内での営業活動の強化を図る。地方自治体との連携が増えており、アクセスのいい都心へ移転することで地方営業展開を強化し、本年度中には海外での活動を始めるという。新オフィスなどでフリーランスの人たち向けのセミナーなども開いていく。
新本社の面積は約400平方メートル。社内は同社のロゴにも使っている青や白、木目を基調に仕上げ、壁面の一部はホワイトボードにする。机は曲線を取り入れたデザインのものなどを配置し、一部はフリーアドレス席にする。会議室は数室備える。
新本社には、エンジニアなどのシステム開発部と営業などのビジネス開発部の約30人が移るほか、新規雇用も進める。鎌倉のオフィスは支社として使用。サイトの運営を手掛けるサポートチームの一部が鎌倉支社に勤務するが、テレワーク化を進め、支社勤務と在宅での業務を行う。
同社ビジネス開発部の山口豪志さんは「鎌倉を離れることは寂しい気持ちもある」としながらも、「上京する大学生のようなワクワク感と期待を持っている。当社のビジョン・ビジネスの可能性を実現させ、飛躍する1年にしていきたい」と意欲を見せる。