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ヒカリエで「SHIBUYA VISION」展-コルビュジエ原画、幻の渋谷再開発ジオラマも

コルビュジエが約1カ月間を費やしデザインした緞帳の原画「闘牛十四号」

コルビュジエが約1カ月間を費やしデザインした緞帳の原画「闘牛十四号」

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 渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階クリエーティブスペース「8/(ハチ)」のギャラリースペースで現在、ヒカリエ開業1周年記念特別展「SHIBUYA VISION 進化するエンタテイメントシティ」が開催されている。

空中歩廊を表現した「1966年当時の渋谷」ジオラマ

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 同展では、東急電鉄創業者・五島慶太、建築家・坂倉準三らを中心に、今日の渋谷ターミナルの骨格を形作った「渋谷総合計画」や、東京オリンピックを契機に渋谷の未来像を構想した幻の都市計画「渋谷再開発計画’66」などを貴重な写真や資料で振り返る。さらに昨年オープンした渋谷ヒカリエから2027年まで続く渋谷駅周辺の再開発で、新たに構想される「エンタテイメントシティしぶや」までを一望できる企画となっている。

 1956(昭和31)年、「渋谷総合計画」に基づき、坂倉は現在の渋谷ヒカリエの立つ位置に地下1階・地上8階建ての複合施設「東急文化会館」を竣工。最先端の音響設備を備え、今日のシネマコンプレックスの先駆けといえる大小4つの映画館や美容室、洋裁学校、結婚式場のほか、屋上階には日本初のフラー・ドームを採用した「五島プラネタリウム」を擁する同施設は、戦後日本の復興を象徴する存在として大きな注目を浴びた。同展では、坂倉の筆圧が伝わる1階の大映画劇場「パンテオン」や「五島プラネタリウム」などの手書きの設計図のほか、坂倉の師匠である建築家、ル・コルビュジエがデザインしたパンテオンを飾る大緞帳(どんちょう)の原画「闘牛十四号」などを公開している。

 コルビュジエが手掛けたインド・パンジャブ州チャンディーガールの最高裁判所大法廷の壁画のために制作された12メートル×12メートルの大緞帳を見て、坂倉はすぐに自身が設計していたパンテオンの緞帳を依頼。コルビュジエは約1カ月間の夏休みを費やし、緞帳のデザイン画を完成させたという。子弟関係が縁で実現した同緞帳の大きさは9.5メートル×22.8メートル、川島織物により西陣織技術を用いて制作された。2003年に同施設が閉館するまで、47年間にわたって使われた。

 そのほか、1966(昭和41)年当時の「渋谷の街」を白一色で再現し、その上に「渋谷再開発計画’66」の中で発案された空中歩廊「アルケード」を赤の半透明で表現した大きなジオラマも公開。約半世紀前に練られた先進的で壮大な都市計画の一端を明らかにする。

 開催時間は11時~20時。入場無料。今月13日まで。

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