国立代々木競技場第一体育館プロムナードで4月17日、世界一長いロールケーキのギネス世界記録に挑戦するイベントが行われた。主催はキッチン用品や製菓用品などを販売する貝印(千代田区)。
同社が実施する、パティシエを志す高校生がスイーツ作りを競う「スイーツ甲子園」の参加者募集開始(今月15日~6月2日)を記念して企画。作るロールケーキの長さは、過去スイーツ甲子園に参加した人数1万3068人にかけた130メートル68センチに設定。これまでのギネス世界記録は115.09メートル。
ロールケーキ作りには野田鎌田学園(千葉県野田市)の生徒66人を中心に、「テオブロマ」(富ヶ谷1)の土屋公二さんなどパティシエ11人を含めた92人が参加。これに先駆け前日の16日、同校でロールケーキ用のスポンジ生地(30センチ×38センチ)約392枚を焼き、17日10時から会場近くで1時間30分かけて生クリーム2万1000ミリリットル分のホイップクリームを作った。
制作開始とともに一列に並べた344枚のスポンジ生地にホイップクリームを塗り、ロールケーキ型に形成。その上から1本の長いロールケーキに見えるよう、つなぎ目に気をつけながら生クリームを塗り、最後にイチゴ(約600個)をあしらった。その後、ギネスワールドレコーズ認定員が長さを測定。認定員がギネス世界記録を達成したことを示す白旗が掲げられると大きな歓声が上がり、抱き合い喜ぶ姿、涙を流す姿などが見られた。
「好きなもので記録を出せたのがうれしい」と話すのはスイーツ科2年の石原佑一さんと雨宮蘭球さん。「疲れもパッと消えた」と笑顔を見せた。スイーツは年に数回しか作らないため「スイーツ科の人たちと比べ道具の使い方も慣れてないので大変だったが頑張った」と振り返るのは調理科3年の新銀良隆さん。「言葉よりも最初にウワーっていう思いが込み上げてきた」と興奮した様子で話していた。
スポンジ生地が飛ばされるなど強風に悩まされた当日。「周りの音とかで集中力が切れそうだった」と、屋外ならではの苦労があったという同科2年の小林奈津美さんと吉永陽美さん。「うれしすぎてそれ以上の言葉が出てこない。2年生も3年生も隔たりなく仲がいいからこの一本を作ることができたと思う」とも。作ったケーキは切り分けられ生徒らが口にした。