渋谷ヒカリエ（渋谷区渋谷2）隣のビルに3月21日、シェアオフィス「ありんこオフィス」（TEL 03-6434-1550）がオープンした。経営はバンディエラ（港区）。

1人用の専用ブース

　外資系不動産投資企業に勤めていた佐藤啓三郎さんと佐野真之さんが独立開業した同所。倉庫や工場を店舗やオフィスにリノベーションしていることで注目を集めるニューヨークのミート・パッキング・ディストリクトのような「街自体をつくり変えるようなリノベーションの可能性」を模索し、当初は古い倉庫の活性化を目指していたが物件が見つからず、「古いビルでも同じようなことができるのでは」と、渋谷駅周辺の古いビルに狙いを絞って物件を探したという。

　起業家や起業を目指すダブルワーカー、ノマドワーカーをターゲットに、前職で学んだビジネスルールやアイデアの具現化の仕方など、ソフト面でのサポートを図る。渋谷エリアには多くのシェアオフィス、コワーキングスペースが存在し、同ビルには電源カフェ「beez」も入居。同店が満席で入店を断ることもあることなどから「ニーズに対して十分に供給できていないのでは」と考え、両店では今後連携しながら、「ビル、そして渋谷エリアを盛り上げていきたい」という。

　店名には「アリのように個々は小さいかもしれないが、力を合わせ大きな成果を出し、社会を変えていければ」という思いを込めた。店舗面積は約52坪。「ゆっくりとした落ち着いた空間」に仕上げた店内には、フリーアドレス＝37席、専用ブース＝1人用7ブース、2人用3ブースを用意。ブースやスペースは「かなりゆったりと取った」という。4人用の会議室（事前予約制、無料）や無線LAN、電源、プリンター（有料）、メールボックス、固定電話（有料）などを完備する。

　月額利用料は、フリーアドレス＝3万5,000円、専用ブース＝1人用6万5,000円、2人用 9万5,000円、（以上、初期費用別途3万円）、1DAY利用＝2,000円、登記のみのスタートアッププラン（1,500円で1DAY利用可）＝1万円。

　当初は30代を見越していたが、現在の利用者・見学者は20代が中心で、IT系やデザイナー関係が多いという。佐藤さんは「今ご利用いただいているIT系やデザイナー系の方々だけでなく、志を持った方々に利用いただければ。最終的には、少しでも『ありんこ』ネットワークをつくれればと考えている」と話す。「次の課題はソフト面。起業・運営に必要なネットワークはあるが、会社経営に必要最低限の知識をどう伝えていくか、投資家に対してプレゼンテーションできる機会などをつくっていければ」とも。

　営業時間は8時～22時。