渋谷・公園通りの米ニューヨーク(以下NY)発のセレクトショップ「OPENING CEREMONY(オープニングセレモニー)」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6415-6700)5階「A WALK IN THE PARK」で現在、写真展「KURT-Jesse Frohman Exhibition」が開催されている。
同店で昨年6月から展開している、東京や世界中のカルチャーを発信する「TOKYO CULTURAL NETWORK PROJECT」の第3弾。同展では、NYのフォトグラファー、ジェシー・フローマンさんが撮影した、グランジ・オルタナティブバンド「ニルバーナ」のフロントマン、カート・コバーンの生前最後の姿を撮影した写真にフィーチャーする。
NY在住のフローマンさん。ミシガン大学で経済を学ぶ傍ら、独学で写真を撮り始める。自身で制作したポートフォリオが米写真家のアーヴィング・ペンの目に留まり、ペンのスタジオでアシスタントを務めるようになった。著名人の写真のほか、ニューヨークタイムズ紙やヴォーグ誌などにコントリビューター(寄稿者)として参加、企業の広告写真などを手掛けている。
フリーマンさんがコバーンの写真を撮影したのは1993年11月15日。同バンドがアルバム「In Utero」リリースツアー中のことで、NYで滞在したホテルとNY公演会場。撮影は当初セントラルパーク内で行われる予定だったが、急きょホテル内の会議室に変更。予定時間を3時間以上過ぎたころ、レオパード柄のジャケットにダメージジーンズ姿のコバーンが姿を現した。ライブ会場へ出発する直前の20分間に行われた撮影中、コバーンはサングラスを外すことはなかったという。
撮影の日に初めてコバーンに会ったというフリーマンさんは「部屋にはバケツが用意してあり、何に使うのかを尋ねたら『今にも吐きそう』って。そんな状態だった」と振り返る。この撮影から5カ月後となる1994年4月、コバーンは27歳の若さで自らの命を絶った。同展では17点(3万9,900円~118万6,500円)を展示・販売する。
開催時間は10時~21時(日曜・祝日は20時まで)。入場無料。3月25日まで。