ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で現在、仏アーティストJRさんの個展「JR展-世界はアートで変わっていく」が開催されている。
1983年生まれのJRさんは現在パリとニューヨークを拠点に活動。屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るというグラフィティ表現を行っているアーティストで、各国で暮らす人たちを撮影し、それを現地の人たちと壁に貼る活動を展開している。2011年にはカンファレンスイベント「TED」で「TEDプライズ」を受賞した。
同展はこれまでの活動を一堂に紹介する世界で初めての展覧会。パリ郊外の公営住宅に住む若者たちのポートレートを中心地の道に掲示した「世代の肖像」(2004年~2006年)、パレスチナ人とイスラエル人の写真を両側に掲示した「フェイス 2 フェイス」(2008年~2010年)、紛争で亡くなった女性たちの「尊厳を守ろう」とポートレートを掲げた「ヒーローは女性たちだ」(2008年~2010年)など、これまでの全プロジェクトを時系列に沿ってドキュメント映像で紹介。
同展開催に先駆けJRさんは昨年11月に気仙沼から福島までを回り、漁港や復興商店街、街の子どもたち約400人を撮影。「インサイドアウト計画」というタイトルで街中に作品を展示した。同展でも同作品のドキュメントやポートレートを発表している。さらに来場客は同作品に「参加できる」企画も用意。場内に設置した証明写真撮影ブースのような部屋で写真を撮ると、ポスターサイズでプリントアウトされる。それを持ち帰ることも、場内の好きな場所に貼ることもできる。
開館時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜休館(4月29日、5月6日は開館)。入館料(会期中何度も入場可能なパスポート制チケット)は、大人=1,000円、学生(25歳以下)=800円ほか。