シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)で現在、ドイツの映画監督ファスビンダー没後30年上映企画「ファスビンダーと美しきヒロインたち」が行われている。
1945年生まれのファスビンダー監督。ドイツの時代感覚を映像化することにこだわり、アメリカ映画のメロドラマを意識した手法を採りながらも、「ドイツを忘れなかった」。女性の姿を通じて、ドイツの戦後史を「再検証する」ため、前向きにたくましく生きる「廃虚の女たち」を作品に登場させている。1982年、30本以上の作品を残し36歳の若さで亡くなった。
今回上映するのは3本。第2次世界大戦末期から1954年までの約10年間にわたるヒロインの人生を、戦後ドイツの社会学的考察と共に映像化した「マリア・ブラウンの結婚」(1979年、35ミリニュープリント版)、映画「嘆きの天使」(ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督、1930年)を1950年代のドイツに置き換えドイツ成長期の精神的退廃を映像化した「ローラ」(1981年)、メロドラマでありながら心理サスペンスの要素も加味された「マルタ」(1975年)。
鑑賞料は、一般=1,500円、学生=1,300円、会員・シニア=1,000円、3回券=1,500円。1月18日まで。