東京電力のPR施設として使われ昨年5月末で閉館した渋谷・神南の「旧渋谷電力館」(渋谷区神南)を、隣に本社を構えるシダックスが借り受けスポーツ&カルチャー事業を展開することが分かった。
隣接する旧渋谷電力館とシダックス本社が入る渋谷シダックスビレッジ
東電不動産(中央区)が所有する同施設は1984(昭和59)年、同社渋谷支社敷地内に開業。延べ床面積は6176平方メートル。全7フロアを使い「電力」をテーマにした常設展示やイベントなどで同社事業をPRしてきた。全館リニューアルを段階的に行い昨年3月20日のグランドオープンを予定していたが、同11日に発生した東日本大震災の影響を受け延期。営業を再開することなく、昨年5月31日に閉館した。その後、売却も検討されたが、同施設地下に渋谷エリアをカバーする変電設備があることなどから売却を断念。入札によりテナントを募集した結果、シダックスへの賃借が決まった。賃借期間は15年で、賃借料は年間2~3億円程度と見られる。
シダックスは12月から同施設を借り受け、施設名を新たに「シダックス・カルチャー・ビレッジ」とし、2013年4月1日から新事業としてスポーツ&カルチャー事業を展開する。事業主体はグループ会社のシダックス・スポーツアンドカルチャー(同)。
同施設は8階建てで、もともと8階にあったホールは新施設でもホールとして使う方針。2階~5階の4フロアに座学を行う教室やレッスンスタジオなどを新たに設け、カルチャースクールとスポーツクラブを融合させた「新しい学びの場」として「CULTURE WORKS(カルチャー・ワークス)」を展開する。同所では独自のプログラムを展開するほか、各ジャンルの講師・インストラクター育成、「心と身体の健康についての研究開発」なども行っていくという。
シダックスは現在、展開する「レストランカラオケ・シダックス」302店舗中77店舗で「カルチャークラブ」事業を展開。比較的に広めのパーティールームなどを使い、ヒップホップやフラダンス、フラワーアレンジメント、書道などの講座を提供している。「シダックス・カルチャー・ビレッジ」は、こうした既存事業とのシナジーも検討していく。