ラフォーレミュージアム原宿(渋谷区神宮前1)で10月24日、インテリア・アート・プロダクトの合同展示会「場と間」が始まった。主催はアッシュ・ペー・フランス(神宮前6)場と間事業部。
ファッションやインテリアなど生活と文化に関わる事業を展開する同社が2010年から始めた同展示会。通常の展示会と異なり、バイヤーなどの事業関係者のほか、一般消費者も足を運ぶことができ、一部商品を購入できるのが特徴。昨年は延べ3500人が来場した。
今年のテーマは「MARKET」。会場に続く5階の階段からインスタレーションを展開し、エントランスには5組のクリエーターが精肉店や魚店などをイメージして作った市場のインスタレーションが並ぶ。場内は、ビニールハウスの材料で仮設の市場を作ったほか、屋台のような什器を置くなど空間演出にもこだわる。
エリアは、同展示会ディレクター馬場雅人さんが編集する「場と間」、民族・ミックススタイル雑貨を集積する「エスニック」、家具ショップ・メーカーが店舗什器を提案する「ファーニチャー」、インテリア雑貨・プロダクト商材の「プロダクト」の4つのカテゴリーで構成。今回「場と間」エリアには、若手作家の商材を集めたブースも新たに設けた。今年は約50の企業・クリエーターが出展し、約8割の出展者が商品を販売する。
今回コレクション初露目となる、木工ブランド「STUDIO Khii」(和歌山県)は木工ブランド「ハコア」のプロダクトデザイナーを務めていた梅本敏明さんが立ち上げた。ビンテージオークを使った時計(1万2,600円)などをラインアップする。多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイル卒業後、フリーで活動するIYO YAMAMOTOさんは羊毛フェルトと布を使い植物や菌類など、自然物をテーマにしたオブジェを制作。商品はシメジ(8,400円)、イチジク(5,250円)ほか。植物店「叢-Qusamura-」(広島県広島市)は、サボテン「怒涛(どとう)花ボタン」(7万3,500円)、他の植物に接ぎ木した「子吹き烏羽玉錦」(2万6,250円)など見た目も特徴的なサボテン、多肉植物を紹介する。
今年は自治体が2団体参加。長崎県波佐見町の型・生地製造業者は今年、新しい産業の可能性を探るため「テラコッタ(素焼き鉢)」作りを始めた。今回は、展示会に出展する「叢-Qusamura-」、農園芸セレクトショップ「LIFETIME」と共に制作した、オリジナルの試作品をお披露目。岐阜県は、岐阜県産小麦を使った煎餅で、表面に「嫁」または「夫」の文字を烙印(らくいん)した「好or嫌煎餅」、ガラスのような質感が特徴的な陶器「ぎやまん陶」美濃和紙、「ちこり茶」など伝統工芸品、特産品を展示する。
連動企画として同館1階エントランススペースには、セレクトショップ「Marche de Noel H.P.FRANCE」を限定出店。オーナメントやストール、キッチンツール、アクセサリーなど「ちょっとした遊びごころ」をテーマにしたアイテムを販売する。
一般消費者が来場できることで、消費者は「生産の背景を知ることができる」、出展者は「消費者の声を直接聞くことができる」利点がある。「物は人が作っているということ、クリエーターたちの考えなどが伝われば」と馬場さん。将来的には、パリの「メゾン・エ・オブジェ」、カルフォルニアの「ギフトショー」と並び、「アジアの『場と間』と言われるようになれば」と意欲を見せる。目標動員数は5000人。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで、一般解放は26日から)。入場料は一般500円。今月28日まで。