日経BP社(港区)が6月25日、渋谷の未来像を解説する書籍「SHIBUYA 202X-知られざる渋谷の過去・未来」を発行した。再開発が始まった渋谷の未来を過去と照らし合わせながらまとめたもので、同社の建設・不動産の専門ウェブサイト「ケンプラッツ」が編集した。
本年度末までに東急東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転開始が予定され、東急東横店東館の閉館が来年3月末に決まるなど、動きが慌ただしくなってきた渋谷駅周辺。「2020年代中ごろまでに渋谷駅はホームや通路がすべて新しく広くなり、超高層の駅ビルに直結させる青写真が既に描かれている」とケンプラッツ編集長の高津尚悟さん。
渋谷のまちづくりの最大の課題は「高低差の克服」。再開発では駅周辺をペデストリアンデッキや地下でつなげるほか、上下方向にも人の流れを促す仕掛けを施す。「このコンセプトが50年前にも検討されていたことを突き止めた」という同書では、1966(昭和41)年ごろに構想された「渋谷再開発計画’66」の一部も紹介する。
「本書は、これからの渋谷を考える時の“たたき台”になる本。建設のプロたちを読者に抱えるケンプラッツが、そのネットワークを生かして過去から未来へとつながる『渋谷建築の歴史』を描き出した。2020年代には超高層ビルが林立する『SHIBUYA』を、どれだけ魅力あふれる街にできるか。渋谷のまちづくりに関わる全ての人たちと一緒に考えていけたら」とも。
同書は2008年~2012年にケンプラッツ、日経アーキテクチュア、日経コンストラクションなどに掲載した記事を加筆・再編集して構成した。体裁はA4版変形、176ページ。価格は1,890円。主要書店やアマゾンなどで扱う。