渋谷・東急本店近くの「ポスターハリスギャラリー」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-5456-7218)で現在、「寺山修司と天井棧敷◎ポスター展」が開催されている。
三沢市寺山修司記念館開館15周年、同ギャラリーを運営するポスターハリス・カンパニー設立25周年記念として開催している同展。「演劇実験室◎天井棧敷」(1967-1983)は寺山修司が主宰した前衛劇団で、同劇団のポスターには、旗揚げメンバーでもあった横尾忠則さんをはじめ、宇野亜喜良さん、金子國義さん、林静一さん、花輪和一さんなどアーティストが多く関わっている。ポスターのデザイナーは実際の舞台の美術も担当したという。ポスターの多くはシルクスクリーン作品で、当時は公演用に限られた数しか制作されておらず、現存する枚数も「残りわずか」。
今回、同社が所蔵する2万点以上の現代演劇ポスターコレクションから、同劇団の演劇公演のポスター約40枚を展示。ポスターは、横尾さんが手掛けた「天井棧敷定期会員募集」(1967年、シルクスクリーン)、宇野さんが手掛けた「星の王子さま」(1968年、同)、粟津潔が手掛けた「犬神(ドイツ公演版)」(1969年、同)ほか。併せて、演劇企画書の生原稿や公演のチラシ・パンフレット・チケットなどの関連資料も展示している。
会場では、昨年12月~今年1月に開催された宇野さんと寺山の展覧会時のイラストをプリントしたTシャツや、宇野さんが英ロックバンド「ピンク・フロイド」が1973年に発売したアルバム「狂気」の付録用に描いたメンバーたちをプリントしたTシャツ(いずれも3,800円)、寺山と宇野さんの書籍「ひとりぼっちのあなたに」(フォアレディース)の扉絵と、宇野さんが手掛けたポスターハリスギャラリーのロゴ入りのトートバッグ(1,890円)などのグッズも販売する。
天井棧敷のポスターに関して、ポスターハリス・カンパニー社長で、三沢市寺山修司記念館副館長の笹目浩之さんは「今にも舞台がよみがえってくるような興奮に包まれる」としながらも、「単なる劇場公演告知のポスターの枠を超え、日本が熱く燃えた60年代~70年代の時代を鋭く切り取り、時代の雰囲気をまとっている」と分析。「これだけ貴重なポスターを一堂に見る機会はそうない。これからを担う若者に見ていただきたい」と話す。
開催時間は13時~19時。入場料は300円。5月9日(7日は休廊)まで。