「モバゲー」などを展開するディー・エヌ・エーは4月16日、渋谷駅東口に開業する高層複合施設「渋谷ヒカリエ」に本社を移転した。

130席を用意するカフェテリア「Sakura Cafe」

　同社は2008年から初台駅近くのビルに本社を置いていたが事業拡大に伴う従業員への対応と「積極的な」採用活動を促進するため移転を決意。これまで本社として使っていたビルは「初台オフィス」として、EC事業部が使っている。

　今月26日の開業を前にいち早く入居した同社。21階～26階の6フロアを使う新本社の面積は計約4000坪。現在約1000人が勤務しているが、1800人ほどまで勤務可能。「社員がつながるアイデア創出型オフィス」をコンセプトに、全フロアで開放感をイメージしたスケルトン天井とオリジナルLED照明を設置したほか、間仕切りを少なくしオープンな空間を目指した。25階には集中して業務に従事することができるよう、1席ごとに間仕切りを設けたスペース「Study Room」（予約制）を10席ほど用意する。

　マジックミラー越しに部屋の様子を確認して通訳ができる「通訳室」を設け、同時通訳を伴う会議を行えるようにするなど、事業の世界展開に合わせ、リアルタイムに海外とつながることのできる会議システムを増強。執務室には、ミーティングスペースや「前本社オフィスでも好評だった」という壁面ホワイトボードやハイテーブルなどを配置。オフィスの固定電話を「大幅に」削減し、本社勤務の社員には内線電話を兼ねたスマートフォンを1人1台配布した。

　24階にはカフェテリア「Sakura Cafe」を開設。席数は130席。白い天井とレンガを敷き詰めた壁面のカフェ内には100インチのモニターを設置する。パンやコーヒーを提供するほか、ランチタイムにはビュッフェ形式とランチボックス形式の2種の食事を用意。5月末からは、全従業員に無料で昼食を提供する「フリーランチ」も導入予定だという。同社は今月、勤務しているオフィス近隣に住んでいる社員に対し、毎月3万円の家賃補助を支給する制度も導入した。

　「既存の社員を大事にしたい」という思いから、渋谷エリアで本社を移転してきた同社にとって渋谷は「なじみのある街」だという。移転後、社員たちは「景色も良く開放感をコンセプトにしているので、心機一転喜んでいるようだ」（同社広報部の立石夕子さん）という。

　今月26日に開業を控える渋谷ヒカリエに対しては、「ビルも街も盛り上がり、活性化につながれば」と期待を込める。「（当社は）『永久ベンチャー』をモットーに事業展開しているので、渋谷から世界に発信していけたら」と話す。