渋谷パルコ・パート1(渋谷区宇田川町)3階の「パルコミュージアム」(TEL 03-3477-5873)で3月2日、「kokeshi pop ポップでカワイイこけしの世界」展が始まった。
漫画家しりあがり寿さんが絵付けしたこけし「ふたごのオヤジ(片割れ)」
東北6県が主な産地の「伝統こけし」は、木地師(木の盆や器を作る職人)が副業で子どもの玩具として作ったのが始まりだという。工人(こうじん)と呼ばれる職人が手作りしており、頭は小さく堂は細く長い形が特徴の「土湯」(福島)、ベレー帽をかぶっているかのような頭部のロクロ線が特徴の「弥治郎」(宮城)、一本の木から彫り出す技法で作る頭部と胴部が一体化している「木地山」(秋田)など、姿形により大きく11の体系に分けられる。
会場では各体系のこけしを紹介するほか、こけし収集・研究家の西田峯吉のコレクションを収蔵する「西田記念館」(福島県福島市)の所蔵品、軸原ヨウスケさん、武田美貴さんによるデザインユニット「cochae(コチャエ)」のコレクション、オランダのイラストレーター、ディック・ブルーナさんが手掛けた「ミッフィーこけし」など約200本を展示。こけしコレクターでもあったという童画家・武井武雄の版画集「愛蔵こけし図譜」なども特別展示する。イラストレーターの安齋肇さんや五月女ケイ子さん、漫画家・しりあがり寿さん、朝倉世界一さん、お笑いコンビ・たんぽぽの川村エミコさんら11人が絵付けしたこけしを並べるコーナー、こけしの顔抜きパネルを用意し記念撮影をすることができるコーナーも用意する。
会場ではリサイクルこけし(525円~3,150円)のほか、書籍「伝統こけしのデザイン」(青幻舎、1,680円)、こけしがデザインされたハンカチ(525円)、A4サイズの手拭いバッグ(2,100円)などのこけし雑貨、クリアファイル(A5、315円)、刺しゅうアクセサリーなどの雑貨を展開する「tamao porte」とコラボした刺しゅうブローチ(1,050円)など同展オリジナルグッズを販売。リサイクルこけしの収益の一部は伝統こけしを軸にした復興支援プロジェクト「KOKESHIEN!」を通じて被災者支援に寄付するほか、そのほかの売り上げの一部は日本赤十字社に寄付する。
3日・4日には、宮城県・鳴子系工人、大沼秀顕さん、10日・11日には、福島県・土湯系工人、陳野原幸紀さんによる伝統こけしの実演販売(各日13時~14時、15時~17時の2回)、オリジナルペインティング(絵付け)ワークショップ(各日14時~15時)を行う。定員は各回10人(小学生以上)。参加費は1,050円。店頭または電話で参加を受け付けている。
企画制作を手掛けたハクション(鶯谷町)取締役の沼田夏子さんは「若い方ほど先入観なくご覧いただけると思うので、気軽に足を運んでいただきたい。最初は見て・知ってかわいいと思ってもらい、一体一体顔が違うので好きな顔を見つけてもらえれば」と話す。東日本大震災復興支援につながることを目的にする同展。「産地を訪れ、ルーツを知る楽しさもある。訪れることも復興支援につながるのでは」とも。
開催時間は10時~21時(入場は閉館の30分前まで、最終日は18時まで)。入場無料。今月12日まで。