渋谷・宇田川町のシアター「アップリンクX」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)で2月4日、ベルギーの漫画家エルジェのドキュメンタリー「タンタンと私」(アンダース・オステルガルド監督)が公開される。
漫画「タンタンの冒険」シリーズは、主人公の少年記者タンタンと相棒のフォックステリア犬スノーウィが世界中をかけめぐり、さまざま事件を「知恵と勇気」で解決していく物語。映画は1971年にフランス人学生が行ったエルジュの未公開インタビューを基に、同作の作者エルジュことジョルジュ・レミの生涯とタンタン・シリーズに込められた「本当の意味」をひもといていく。
エルジェは1907年、ベルギー・ブリュッセル生まれ。ボーイスカウトに傾倒していた少年時代からドローイングを始め、1923年から本格的にベルギーのボーイスカウト紙に作品を発表し始めた。1928年に新聞の若者向けウイークリー増刊号「プチ20世紀」のチーフ・エディターになり、翌年には自作の「タンタン、ソビエトへ」が同誌に掲載。その翌年には初めてタンタンの絵本として「タンタン、ソビエトへ」が出版され、1983年に白血病で亡くなるまでに全24シリーズを手掛けた。
映画は2003年に製作された。配給を行うアップリンクは、今から4年ほど前に同作を買い付けていたという。公開時期を検討していたところ、スティーブン・スピルバーグ監督が「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」(昨年12月公開)を製作することを知り、その公開を待つことにした。
アップリンクの浅井隆社長は「タンタンというキャラクターは有名だが、エルジェ自身はあまり有名ではない」とし、「(「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」を見た客が)数パーセントでも興味を持ってくれたらと考えた」と話す。「(エルジェの)苦悩や第二次世界大戦など時代に翻弄(ほんろう)される姿も描かれている。漫画をずっと好きだった方も、(スピルバーグ監督の)映画で知った方にも見てほしい」とも。
同館では、タンタンに「まつわる」条件を一つでもクリアすれば鑑賞料を1,000円にして、さらに同伴者1人を無料にする企画を用意した。条件は、「タンタンヘア」(立ち上がった前髪)で来場、フルネームに「タ」と「ン」の両方が入っている、プロ・アマ・自称問わず自作漫画の持参の3つ。
上映スケジュールはホームページで確認できる。