東日本大震災から半年がたった9月11日、渋谷マークシティ内「クリエーションスクエアしぶや」(渋谷区道玄坂1、TEL 03-5456-1028)で東北復興支援写真展「TSUNAMI」が始まった。
岩手県陸前高田市出身のフォトグラファー・上田聡さんが立ち上げた「Tears of the Earth」プロジェクトと渋谷区が共催する同展。東日本大震災で母親を亡くした上田さんは「故郷のために何かをしたい」「次の世代にも伝えていこう」と、震災直後に同プロジェクトを立ち上げた。これまでに、イタリアやロシア、原宿、横浜などで10回以上の写真展を開いてきた。
写真は三陸を中心に撮影。震災直後から毎月足を運び、現在までに約2~3万枚の写真を撮影してきた。会場では、震災直後から8月までに撮影した写真の中から約50枚を展示するほか、上田さんが制作したドキュメンタリーメッセージ映像も上映。会場では支援金も募っており、集まった支援金は陸前高田市とその市民を支援するためのプラットフォーム「陸前高田市支援連絡協議会 Aid TAKATA」に寄付している。
津波にのみ込まれた地元の姿を目にした時「『ここはどこなんだろう』という感じだった」と振り返る上田さん。「(半年たち)復興してきているといわれているが、まだゼロにも達していない。家も家族も無事だったが仕事を無くした人などは最も支援がないなど、そうした、報道されていない大変な人たちもたくさんいるのが現状。心に傷を抱えている人は何千何万といて、まだ支援が必要」とし、「被災地に対して何かしたいと思っている方や、行きたいけどいけないという方もそうだが、(当展が)東北に気持ちを向けてもらえるきっかけになれば」と話す。
日頃、ファッション分野のフォトグラファーとして活動する上田さんは、今年いっぱい本業の仕事を断り、同プロジェクトに全精力を傾けて活動している。引き続き、明治大学(今月26日~30日、駿河台キャンパス)をはじめ、アジアやヨーロッパなど海外でも写真展を開いていくほか、公演、映像の上映、出版などを通じて震災の様子を伝えていく予定。
開催時間は10時~18時。入場無料。今月19日まで。