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ワタリウム美術館で「驚くべき学びの世界」展-イタリアの幼児教育を紹介

建築家・平田晃久さんが手掛けた会場では「レッジョ・アプローチ」の6つのテーマ、23のプロジェクトを紹介する

建築家・平田晃久さんが手掛けた会場では「レッジョ・アプローチ」の6つのテーマ、23のプロジェクトを紹介する

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 ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で現在、イタリアの幼児教育プロジェクト「レッジョ・アプローチ」を紹介する「驚くべき学びの世界展」が開催されている。

平田さんの展示「Living in Creatures」

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 レッジョ・アプローチは1945年、北イタリアのレッジョ・エミリアで農民と労働者が戦車や軍用トラック売って「自分たちの学校」を作ったのが起源で、そこに教育者のローリス・マラグッツイが加わり開拓されたもの。1970年代には北欧を中心とするヨーロッパ諸国、1980年代にはアメリカに、1991年には米・週刊誌「ニューズウィーク」で「世界で最も優れた教育」と称され、アジア諸国を含む全世界に知られるようになった。

 同プロジェクトはアートの創造的経験によって子どもたちの可能性を引き出しているのが特徴。子どもたちの「驚き」を記録し、育て、分析を続け、光や物、場所、言葉、エコロジーなどをテーマにさまざまなプロジェクトを作り出してきた。同展は、2001年に同館で開催された「子どもたちの奪われた『100の言葉』」展の続編。「書くことの魅力」「場所との対話」「アイデアとプロジェクト」など6つのテーマで23のプロジェクトを紹介。

 会場デザインは若手建築家の平田晃久さんが手掛け、約200メートルの展示パネルが場内を行き交う中、オリジナル絵画や立体54点、幼稚園・保育園での様子を収めた映像23点で構成する。デザインについて、「小さな子どものころ見ていた光景、さまざまな光や音や手触りやにおいを持った場所が内側も外側もなくふわふわと続いているような、ぼんやりとした記憶を手掛かりに、子どもの一筆書きのような、一続きの巻物が空中に漂い、いろいろな場所が内も外もなく続いている状況を作りたいと思った」と平田さん。

 期間中、アーティストの小沢剛さん(今月19日)やダンサーで振付家の康本雅子さん(7月2日)、詩人の城戸朱理さん(同月3日)を講師として招いた3歳~6歳を対象としたアートワークショップ「アート・一日幼稚園」を開くほか、平田さん(7月10日)や落語家の柳家花緑さん(9月11日)、アートディレクターの浅葉克己さんらを迎えた6歳~12歳を対象とした全7回の特別ワークショップ「アート・一日小学校」などを展開する。開催時間や参加費などは同館ホームページで確認できる。

 同館地下1階ミュージアムショップ「オン・サンデーズ」では現在、平田さんの展示「Living in Creatures」を開催。店内には書籍と共に、平田さんが手掛けた建築作品の模型6点も展示するほか、モニターを使い同会場のデザインについて解説している。同店では今月16日(20時~22時)、平田さんと建築家・西沢立衛さんの対談「学びの空間の未来」を開く。参加費は1,500円。メールやファクスで参加を受け付けている。

 開館時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜休館(オン・サンデーズは無休)。入館料(会期中何度も入場可能なパスポート制チケット)は、大人=1,000円、学生(25歳以下)=800円ほか、オン・サンデーズは無料。7月31日まで(「Living in Creatures」は同月3日まで)。

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