恵比寿西口のギャラリー「waitingroom」(渋谷区恵比寿西1、TEL 03-3476-1010)で現在、デジタル作品を手掛ける作家・武居(たけすえ)功一郎さんの個展「PICTURE ELEMENT」が開催されている。
1974(昭和49)年生まれの武居さんは、大学卒業後にグラフィックデザインの仕事をしていた際にマッキントッシュに「出合った」ことをきっかけにデジタル作品の制作を開始。その後、「非物質であるデジタルに物質性を持たせること」をテーマに、東京を拠点に活動を続けている。
自身で撮影した風景写真をパソコンに取り込み、「油彩画のマチエール(素材)を思わせるパターン」を用いてデジタル処理した作品を発表。2度目の個展となる同展では、デジタルペインティングの新作約15点を展示する。
ディレクターの山内真さんは「一般的に、デジタル作品というと手仕事(アナログ)の油絵などに比べ価値を低く見られがちだが、彼の作品は膨大な作業、手の痕跡によって処理されている。複製可能なデジタルデータだが、作品は基本的に一点もの。『デジタル・アナログ作品の優位関係』をフラットにしようとする作家の意思表示にもなっている」とし、「作品が持つバーチャルな筆致とフラットな出力紙との相反効果が生む、これまで見たことのない感覚や美しさを楽しんでいただければ」と話す。
営業日と営業時間は、月曜=17時~23時、金曜・土曜=13時~19時。作品は販売も行う。4月3日まで。