渋谷駅南口近くで30年以上にわたり営業を続けてきたファミリーレストラン「joytime(ジョイタイム)渋谷店」(渋谷区桜丘町)が2月28日、閉店した。
同店は1977(昭和52)年春、同所にオープン。一時期は同店のほか、目黒、代々木、深沢、吉祥寺にも出店していたが、テナント料などの理由から順次閉店。最後の1店舗となった渋谷店は、近くにも低価格帯の飲食店が増え客足が減ったことなどから閉店を決めた。
ビルの地下1階に位置する同店の店舗面積は約55坪。店内はレンガ調の壁面やベージュ、茶色を基調にしたアットホームな空間で、テーブル席とカウンター合わせて80席を展開。ファミレス業態自体が少なかったオープン当時から「気軽に食べていただきたい」と、カレーライス(290円~)、ドリア(340円~)、ハンバーグステーキ(400円)、ハンバーガー(430円~)、ドリンク類(150円~)など、学生にも手の届く抑えた価格帯で親しまれてきた。
オープン当初は学生など若年層の来店が多かったが、近年では年配客の来店も増え、長時間滞在などで「喫茶店化していた」という。バブル期には混雑が続き、洗浄機が稼働し続けたことでスイッチが壊れ、「メーカーの人に驚かれた」というエピソードも。最終営業日となった28日は材料がなくなり、通常の閉店時間より1時間30分早い21時に閉店した。
閉店を知った40代の客などから「学生時代によく行った」という声なども耳にしたという、ジョイタイム(桜丘町)常務の山田茂典さんは「(お客さまも)卒業していった感じ」と話す。「ジョイタイムはお休み。また違うかたちで(飲食店を)オープンしたい」。