渋谷センター街のインディーズTシャツ専門店「middle(ミドル)」(渋谷区宇田川町、TEL 03-5456-1870)が2月28日、閉店する。
2001年にオーナーの近藤敏彰さんがオープンした同店。当初はレンタルスペースとして4ブースに仕切られた空間で展示会や期間限定店などを展開していたが、Tシャツの取り扱いが増えたことなどから専門店に業態変更。4年ほど前にリニューアルし、店内を区切っていた木枠を外し、1つの空間に商品を集約した。
大手ブランドなどに比べ新作の発表が少なく、大量生産を行っていないことから価格が高騰することも多い「インディーズTシャツ」専門店として約9年にわたり営業を続けてきたが、「H&M」「FOREVER 21」の出店や、3月には「ZARA」の姉妹店「Bershka(ベルシュカ)」の進出が控えるなどファストファッションブランドの出店が相次いでいることなどを背景に閉店を決意した。
25以上のブランドをそろえる中、人気が高かったのは「シンプルで分かりやすい」デザインの「RED BAZOOKA」や、ウサギ柄のTシャツを展開する「Ningen堂本舗」をはじめ、漫画やゲームなどとコラボレーションしたTシャツが特徴の「MARS SIXTEEN」、パロディー系Tシャツや漫画家とのコラボTシャツなどを展開する「悪意1000%」、立体的なデザインが特徴の「ちくわぶ」など。
メーンの客層は30~40代、男女比は6対4程度で、外国人旅行客も多かったという。オープン時から店長を務めている佐々木真利恵さんは「忘年会の景品や誕生日・外国人へのプレゼント用など購入目的もさまざまだった。気に入ったデザインのTシャツを新調しにくる方もいらっしゃった」と振り返り、「(常連客からは)驚きの声や『ショック』『どこで買えるの』という声などが上がっている。通い続けていただいた方など、来店してくださったことに感謝している」と話す。
閉店については、「新しい店が増えすぎて、当店と同じくらい営業していた近隣の独立系アパレルショップも閉店するなど年々寂しくなってきている。個人的には昔の雑多な街の雰囲気の方が好きだった。小さくても個性的な店がある方が面白い」とも。店では現在閉店セールを行っている。
営業時間は12時~20時。月曜定休(28日は営業)。