JR渋谷駅新南口の「ホテルメッツ渋谷」(渋谷区渋谷3、TEL 03-3409-0011)は11月、ロビーラウンジと13階~14階の客室をリニューアルした。
同ホテルは東日本旅客鉄道(代々木2)100%出資会社の日本ホテル(豊島区)が展開する宿泊主体型ビジネスホテル「ホテルメッツ」の旗艦ホテルとして2001年11月に開業。駅から近い立地の良さから利用客に支持されてきたが、近年「高級ビジネスホテル」の進出などを背景にマーケットニーズが多様化していることや立地に並ぶ特徴がなかったことなどから「メッツブランド再構築プロジェクト」を始動。第1弾として同ホテル初のリニューアルに踏み切った。
「ゆったりとした」ソファや植栽を置き「落ち着く空間」を演出したロビーラウンジは、「渋谷文化」や旅をテーマに本・雑貨店「BOOK246」(港区南青山1)がセレクトした本が並ぶ「ロビーライブラリー」とインターネットコーナーを新設。フロア壁面のアートワークは美術家・クリエーティブディレクターなどとして活動する坂巻善徳 a.k.a senseさんが手がけた。
13階~14階の客室34室は、「1クラス上のホテルを利用していた高単価客」の囲い込みを目的に「プレミアムルーム」にリニューアル。14階には、カフェ・カンパニー(渋谷1)がデザイン・プロデュースを手がけた客室「ART BOX」4室を開設。坂巻さん率いるsenseseeds (神南1)協力の下、壁面には漫画家・岡崎能士さんをはじめ、イラストレーター・白根ゆたんぽさん、今井トゥーンズさんによるユニット「YUTOONZ」や、絵描きKAZ(奥田和久)さん、国内外で活動するMHAKさんの4組が手がけたオリジナルアートが広がる。宿泊客には「特典」として各参加アーティストが手がけた壁面アートをデザインした「手ぬぐい」「ポストカード」を進呈する。
同階の2室は、「日本の森づくりに還元する」をコンセプトに、新たな客室「GREEN BOX」にリニューアル。「青山フラワーマーケット」を展開するパークコーポレーション(港区南青山5)と連携し、室内には「国内の森で育った」間伐材を使った家具を置くほか、坂本龍一さんが発起人の森林保全団体「more trees(モア・トゥリーズ)」と協力し、客室内とホテルまでの移動(羽田~渋谷間を想定)で消費する想定エネルギー量に対するカーボンオフセットを実施する。
そのほか28室は、従来の23インチ液晶テレビを32インチにサイズ変更。ユニットバスは、ナノイードライヤーや米シモンズ社製の6.5インチピロートップ、マッサージ機能付きシャワーヘッドを備えるなど「アップグレード」した。
リニューアルから1か月経ち、客層の大きな変化は見られない一方、従来の顧客から「良くなった」という声も聞かれるという。30~50代のビジネス客をはじめ、レジャーユースの観光客や外国人をターゲットに、ファッション誌の撮影やドラマ撮影など「コマーシャルルーム」としての提供も視野に入れる。