東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)2階展示室で12月11日から、新進気鋭アーティストの作品を紹介するシリーズ展第9弾「日本の新進作家展 vol.9 かがやきの瞬間」が開催される。
2002年に始まった同シリーズは、「私性(プライベート)」「幸福」「身体」などをテーマに、国内外で活躍する日本人の新進作家の作品を展示してきた。今年は「楽しさ、幸せ、喜びの瞬間」をテーマに、6人のアーティストが参加する。
「人々の生活の明るい側面を捉えてきた」写真の一スタイルとして「スナップショット」に着目。現代の写真表現の中で「新たなスナップショットに可能性を見出した『ニュー・スナップ』」を紹介する。
出品作家は、沖縄を拠点に活動する山城知佳子さんや自らの出産を撮影した「海からの贈り物」で2000年に写真コンテスト「写真新世紀」の年間グランプリを受賞した故・中村ハルコさんなど。1967(昭和42)年からCM演出家として活動し、2000年ごろから「東京の街」をテーマにスナップショットを撮り始めた結城臣雄さんの作品は美術館初登場となる。展示作品数は計約200点。
同館3階展示場では、収蔵作品展「スナップショットの魅力」を同時開催。米ウォーカー・エヴァンズや仏アンリ・カルティエ=ブレッソンなど20世紀の写真家をはじめ、「ジェンダーを問う」ヌード作品を撮る鷹野隆大さんの「カスババ」や今年度新規収蔵予定のマーティン・ムンカッチの作品、1968年にロバート・ケネディが暗殺され、遺体を運ぶ電車の中から米国民を撮影したポール・フスコさんの「RFK Funeral Train」など約150点を展示。ヴォーグ誌などでファッション写真家として活動するスコット・シューマンさんがパリや東京などで撮影したファッション・ストリートスナップ「ザ・サートリアリスト」は国内の美術館で初の公開となる。入場料は一般500円、学生400円ほか。
「スナップショットは私たちに身近な写真のスタイルだが、いろいろな表現がある。その原点ともいえる作品から、これからますます活躍が期待されるアーティストまでご覧いただける」と同館学芸員鈴木佳子さん。「日々小さな輝きの瞬間を見つけることの素晴らしさを感じていただけたら。ふと携帯電話で撮るスナップショットも少し見方が変わるかもしれない」とも。
開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、来年1月2日・3日は11時~18時)。月曜休館(月曜が祝日場合は翌火曜)。入場料は、一般=700円、学生=600円、中高生・65歳以上=500円。来年2月6日まで。