代官山に年代物・写真器材専門店「フォトシャトン」-メンテナンス工房も

1974年以前に製造された写真機材を扱う「FOTOCHATON」(写真はオーナーの井上武彦さん)

1974年以前に製造された写真機材を扱う「FOTOCHATON」(写真はオーナーの井上武彦さん)

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 代官山駅近くに10月22日、1974(昭和49)年以前に製造された写真器材を扱う「FOTOCHATON(フォトシャトン)」(渋谷区恵比寿西1、TEL 03-6416-3465)がオープンした。

ショーケースには年代物のアイテムが並ぶ

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 子どものころから写真が好きだったというオーナーの井上武彦さん。学生時代には写真部に所属。カメラマンとしても活動していたほか、同店をオープンする前はカメラのプロショップに勤務していた。1990年代ごろからフィルムが減少傾向にあることもあり、「(今後)インフラ的にフィルムが厳しくなっても、フィルム(で撮ること)が好きな方々が続けられるようなカメラ店を作れたら」(井上さん)との思いから開業した。

 店で扱うのは、カメラなどのモデルチェンジが起こる前の1974年以前に製造されたアイテムが中心。同年は、第二次世界大戦後にドルが暴落したことなどから、当時「ぜいたく品」だったカメラを製造するメーカーが危機に立たされ、倒産していく企業などが相次いだ年でもあるという。商品はいずれも、25年ほど前から収集した井上さんのコレクションで、国内外から集めた品は古いもので1830年代のものも。「古ければ古いほど手に入れるのには苦労した」(井上さん)と振り返る。

 店舗面積は2階・3階合わせて約23平方メートル。店内の壁面や床は白を基調にしたほか、プラチナを使い写真を焼き付ける技法「プラチナプリント」のため、店内は99%紫外線をカット。赤外線も減少させているという。

 2階のショップでは、写真機材や大半写真用鏡玉(=レンズ)をはじめ、撮影・暗室用アイテム、写真集、評論集などを販売。商品は1点ものが基本で、フランス製の陶器でできた現像バット(4×5インチ用、5,980円)や印画紙とフィルムを重ねて焼き付けるフランス製の「密着プリンター」(9×14センチ用、1万2,600円)、薬品用の瓶(ルビー色、4,410円)、仏メーカーHERMAGIS製「ペッツバルタイプ」のレンズ(木箱付き、12万6,000円)などを扱う。「暗室作業をする時などに着用できるように」と作った同店オリジナル商品「エスプリドサムライ=特製越中褌」(2,940円)やカメラ小僧のキャラクター「篠山紀信君」が登場する漫画「天才バカボン」(14巻・15巻のみ、各550円)などユニークな商品も。

 3階にはアトリエスペースを開設。工房として、各種アイテムのクリーニングやメンテナンス、検証などを行うほか、要望があれば今後ワークショップやエキシビションなどの用途でも貸し出す。店では「写真技術」に関するカウンセリングも受け付ける(完全予約制、1日1人限定、12時5分~55分まで、5,250円)。

 店を出店した代官山・恵比寿周辺エリアついて、「『東京都写真美術館』が近いが、(駅前を除いては)カメラ店がない空白地帯」と井上さん。「写真はうまく撮影できた時、失敗してしまった時も『ぶしつけ』なところが魅力。写真を通じて幸せになってほしい」とし、「古い写真はインスピレーションを与えてくれるのでは」と魅力を語る。

 営業時間は13時~19時。

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