「たったひとつの『芸術』ではない。かといって『大量生産品』ではない」――ホテル「CLASKA(クラスカ)」(目黒区)2階の「Gallery 2」で10月5日、「ほぼ日刊イトイ新聞(以下、ほぼ日)」が主催する公募企画「第1回 ほぼ日作品大賞」の受賞作などを集めた作品展示が始まった。
ほぼ日ではこれまで、三重県伊賀市の窯元「土楽」7代目当主の福森雅武さんや、気鋭ファッションデザイナー・平武朗さんなどジャンルを問わない作り手とのコラボ企画で数多くの商品をリリースしてきた。それらがいずれも「あっという間に売り切れた」ことから、「多くの方が『芸術』でもなく『大量生産品』でもない『作品』に大きな魅力を感じているのでは」との思いを強め、今年5月20日から1カ月間、サイト上で「『芸術』でも『大量生産品』でもない『作品』」を一般公募してきた。
応募総数は3,100点。ほぼ日主宰の糸井重里さん、CLASKA内のギャラリー&ショップ「DO(ドー)」ディレクターの大熊健郎さん、イラストレーターの大橋歩さんなど7人が審査員となり、ほぼ日の読者投票なども経て各賞受賞作品を選出した。
大賞を受賞したのは、「sunui(素縫い)」による、アジアでの旅行中に見つけたお菓子のアルミカップを平たくし勲章に見立てた「カンカンバッチ」。彫刻家の佐々倉文さんは、フライパンやフォークなど、すべてを「自分のためのホットケーキ専用道具」としてデザインし金賞を受賞した。そのほか、銀賞・特別賞・各審査員賞が設けられ、受賞者には賞金総額100万円を授与するほか、ほぼ日で販売企画が検討される。
会場では受賞作品をはじめ、最終審査の対象となった作品など約30点を一堂に紹介。展示に当たり、審査員を務めた大熊さんは「第1回目にもかかわらず3千点を越える応募があった。それだけ『自らものを作る』という行為が今の時代、多くの人にとって切実で意味のある行為なのだと感じる。その中から選ばれた力作をぜひ見てもらえれば」と話す。
開催時間は11時~19時。入場無料。10月24日まで。