渋谷区は9月24日朝から、「宮下NIKEパーク」整備に向け宮下公園(渋谷区神宮前6)内のテントなどを撤去する行政代執行を実施している。
朝から警察官が出動し、多くの報道陣らが見守る中、午前10時、同区の日置康正土木課長が執行の宣言文を読み上げ、その後、作業員十数人がテントやブルーシート、机・いすなどの撤去作業を行っている。ネーミングライツの契約以来、計画説明会・工事説明会、各種広報などを通じて「説明は十分だった」とする日置課長。今回の代執行の対象とならない南側で生活している4人については、「引き続き粘り強く早期に自立していただく働きかけを行っていく」とし、うち数人は「近日中に退去する予定になっている」という。
同区は建設から40年以上がたち老朽化が進む園内環境の改善を目指し命名権(ネーミングライツ)を導入。昨年8月、ナイキジャパン(品川区)に売却し、「子どもや若者が楽しめるスポーツ施設」としてスケートボードエリア、クライミングウォールを新設するなどして、「ナイキ公園」にすることが発表されている。
一方で、路上生活者支援者らで組織する「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」は、デモなどの反対運動を定期的に行っていたが、同区は今月15日に園内で生活をする路上生活者の強制排除を行い、今回行政代執行を行うに至った。同会は21日、同区に「行政代執行の戒告書への異議申立書」を提出し、翌22日には、同区を相手に行政代執行の通知処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こしている。
今後については、「可能な限り早く整備工事に着手していく」という。