中秋の名月にあたる9月22日、岡本太郎記念館(港区南青山6、TEL 03-3406-0801)では同館庭に常設する岡本太郎の彫刻作品に原色映像を投影し、青山の夜空に彩りを添えた。
同館が昨年から開催する年に一度の「お月見」イベント「One Night Illusion」を翌日に控え、内覧会に合わせて実施した同企画。同イベントは「岡本作品の夜の表情を見てもらいたい」(同館学芸員の布山かおるさん)と営業時間を2時間30分延長して開催するもので、初開催となった昨年は、あいにくの曇り空にもかかわらず約100人が来場した。
22日の渋谷は、気温が30度を超える真夏日。曇りの予報もあったが、夜にはすっきりと晴れた空に黄色く丸い月が顔を出した。会場では、同館の所蔵する油彩作品を中心に、代表作「太陽の塔」、本人の写真などを組み合わせたオリジナル映像を、庭に置いた彫刻作品に投影。大小の彫刻が赤や緑の原色に染まった。
今回は東京造形大学の学生ら約15人が映像制作や設営に参加した。昨年の同イベントに足を運び、「自分たちにも何かできるのでは」と考えたという同大デザイン学科映画制作領域の大口遼さんらが中心となって集まり、「音楽に合わせた」照明や、「人が前を歩いても邪魔にならない」映像など、随所に工夫を凝らしたという。
23日には、一般向けに開館時間を20時30分まで延長し、同じ映像を投影する予定(雨天の場合も開館時間は延長)。「太郎さんに興味がない人でも、昨年の僕のように、太郎作品からエネルギーを感じてもらいたい。雨が心配…」と大口さん。
イベントは日没から20時30分まで(入館は20時まで)。入館料は、一般=600円、小学生=300円ほか。