「自然治癒力」をテーマに各方面で活躍する人々を追ったドキュメンタリー映画「地球交響曲第七番」の東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099)での上映が、公開終了まであと10日となった。
「地球はそれ自体が一つの生命体である」という考え方を基盤に、龍村仁さんが1992年から手がけるドキュメンタリー映画シリーズ「地球交響曲」の第7弾。これまで素潜りの105メートル記録保持者ジャック・マイヨールさんや巨木トマトの栽培で知られる植物学者の野澤重雄さんなど、「大きな仕事を成し遂げた人物」に独自の視点で迫り、自主上映を出発点に口コミによって上映機会を拡大。2006年に公開した「第六番」まででの観客動員数は延べ230万人を数え、現在も全国各地で自主上映会が続いている。
第七番のテーマは「自然治癒力」。各国の伝統医療と西洋医学を統合する「統合医療」の第一人者であるアンドルー・ワイルさん、犬ぞりによる北極海横断の旅を日本女性で初めて達成した高野孝子さん、瀕死(ひんし)の重傷を追いながら自転車レース「ツール・ド・フランス」に復帰・優勝したグレッグ・レモンさんの3人の言葉を通して、激化する天候異変に働く「目に見えない力」の在りかを探る。
会場では8月20日まで、第一番から第七番までを一挙に上映する特別プログラムを展開。今月29日には、「母なる星のゾウとクジラのお話」と題した記念イベントで過去のダイジェスト映像を上映する(10時30分~)。
シリーズスタートから18年が経過し、龍村監督は70歳を迎えた。シリーズ当初について、プロデューサーの龍村ゆかりさんは「環境問題に関心の高い人は子育てを終えた女性が中心だった」と振り返り、現在は「ネットを通じた告知や口コミなどで、職業や年齢など幅広い層の人の間で環境への関心が高まってきているように感じる」と話す。今後については、「(龍村監督が)元気な限り続けていきたい」とも。
入場料は、一般=1,800円、シニア・学生=1,500円など。月曜休映(8月22日は一部休映)。今月28日まで。