青山・みゆき通り近くに7月17日、伊ベネチアンモザイクブランド「SICIS(シチス)」の国内初となるショールーム「SICIS TOYO KITCHEN STYLE」(港区南青山5、TEL 03-3406-1040)がオープンした。運営はトーヨーキッチン&リビング(名古屋市名東区)。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「聖愛と俗愛」もベネチアンモザイクで表現
シチスは1987年、イタリア・ラベンナで創業。古くから教会の絵画や床などにモザイクを使っているイタリア文化をベースに、同ブランドではモザイクを「アート」ととらえ、リビングやキッチン、バスルームなどに提案。ベネチアンガラスを使ったモザイク「ベネチアンモザイク」は、マンガンやコバルトなどの鉱物をガラスに混ぜ、300種以上のオリジナルカラーを生み出している。
トーヨーキッチン&リビングは昨年、同ブランドと総代理店契約を結び、東京や名古屋、福岡など主要都市にある自社ショールーム内で、照明や家具など同ブランドのインテリア商材をセレクトし展開してきた。今回、床や壁面など「大きい範囲」の商品も見られるよう、国内初の専用ショールームを開いた。
店舗面積は約250平方メートル。伊建築家マッシミリアーノ・ラッジさんが設計を手がけた。屋外からエントランスに続く階段、店内の床や壁面、天井などをベネチアンモザイクで装飾。店内は「Night & Day」をコンセプトに、ベネチアンモザイクの色彩を「強調」。ギャラリーを意識し、「アート作品を鑑賞するように」ベネチアンモザイクを見られるようにしたという。店内には、伊画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「聖愛と俗愛」をベネチアンモザイクで再現した壁画も。同店の装飾を金額にすると総額1億円相当になるという。
展開するベネチアンモザイクの表現方法は、大きく分けて「ピクセル」と呼ばれる正方形のタイルで構成する「ピクセルシリーズ」と、図柄に合わせタイルをカットし職人の手作業で作り上げる「アーティスティックシリーズ」の2種。価格帯は、7色光沢の表面加工を施したピクセルシリーズのホワイトガラス「デイジー」が1平方メートル=2万3,775円~。アーティスティックシリーズは、使用する素材やカラーサイズなどを指定できることから価格はそれぞれ異なる。同店でもオーダーを受け付け、商品はすべてイタリアで作る。納品は4~6カ月後。
立地について、同社広報グループ・グループ長の後藤歌井さんは「デザインに目の肥えた方が多い」とし、「インテリアを美しく装飾するという日本ではあまり浸透していない点を理解していただけるのでは」と期待を寄せる。オープン後は30代の来店客が多いという。「モザイクという素材の良さや美しさを伝えるのには時間がかかるかもしれないが、まずは来店いただき、見て、触れてみていただければ」とも。
営業時間は11時~19時。水曜定休。