ヤマハは、渋谷・道玄坂で40年以上にわたり営業を続けてきた楽器店「ヤマハミュージック東京 渋谷店」（渋谷区道玄坂2）を12月に閉店すると発表した。

　同店は、ヤマハの前身「日本楽器製造」が1966（昭和41）年に開業。道玄坂沿いの店舗では、2フロアにわたりギター、ドラムや各種電子楽器、管楽器･弦楽器、ピアノなどの楽器を扱い、ライトミュージック（LM）楽器販売の旗艦店として長年、音楽愛好家やポピュラーミュージック系アーティストなどに親しまれてきた。

　1985（昭和60）年には、同ビル内に自社のアーティストリレーション拠点「ヤマハART」を設立。子会社「ヤマハミュージック東京」の設立に伴い1996年からは経営を同社に移管、両社で連携を取りながらLM楽器の普及・啓蒙を図ってきたが、今年12月26日で44年の歴史に幕を閉じる。

　閉鎖理由について同社は、渋谷地区の契約楽器店がそれぞれ特徴ある店舗を展開していることを挙げ、「渋谷店が担ってきたLM楽器の普及と同地区での市場構築といった役割を果たし終えた」と判断した。

　閉店後、教室事業、外販営業、アフターサービスなどの機能は銀座店に移管するほか、3階で展開してきた音楽教室「ヤマハミュージックアベニュー渋谷道玄坂」は、移転・増床するかたちで渋谷公園通りに12月、リニューアルオープンを予定。ヤマハART事業は同ビル内に存続し、海外の自社アーティストリレーション拠点と連携を図りながら、LM楽器の研究・開発活動を展開していく。