パリ在住の気鋭写真家オノデラユキさん、写美で個展-初期から最新作まで

実際の人物ではなく雑誌などから切り抜いた人形に、夜の街灯などをフォトコラージュで埋め込んだ作品。「Transvest」(2002~)シリーズより

実際の人物ではなく雑誌などから切り抜いた人形に、夜の街灯などをフォトコラージュで埋め込んだ作品。「Transvest」(2002~)シリーズより

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 パリを拠点に世界的に活躍する日本人写真家オノデラユキさんの個展「オノデラユキ 写真の迷宮へ」が7月27日、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で始まった。

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 1962(昭和37)年東京生まれのオノデラさんは、独学で写真技術を身に付け、写真家の登竜門として知られる公募コンテスト「写真新世紀」で優秀賞を受賞。1993年に渡仏し、現在までパリを拠点に写真活動を展開。国内外の美術館で個展を開催し、2006年にはフランスで最も権威のある写真賞「ニエプス賞」を受賞した。

 これまでの20年間で18シリーズを手がけてきたオノデラさん。会場では初期代表作から最新シリーズまでを含む9シリーズをピックアップし、全60作品をシリーズごとに展示する。

 作品上部にぼんやりと白い玉と影が浮かぶ写真シリーズ「真珠の作り方」(2000年~2001年)は、カメラの中にガラス玉を入れて撮影したもの。「Roma-Roma」(2004年)では、ローマという名前の2つの土地をステレオカメラで撮影した。現在も続くシリーズ「Transvest(トランスベスト)」(2002年~)では、雑誌などから切り抜いた人型に夜の街灯などを埋め込むフォトコラージュを展開。あらゆる手法で「写真とは何か」に迫り、日常の見慣れた風景や物事を「未知の世界」へと変化させるオノデラさん独自の写真表現を紹介する。

 会場では、オノデラさんによるスライドレクチャー(9月4日14時~)を開催。期間中の第1・第3金曜日には担当学芸員がフロアレクチャーも行う。

  開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館、翌火曜休館)。料金は、一般=700円、学生=600円。9月26日まで。

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