「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区恵比寿4、以下CCC)は6月30日、HMVジャパン(港区、以下HMV)が展開する全事業取得について進めてきた交渉を終了したと発表した。
3月25日に開催された取締役会で両社とHMV株主である大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(千代田区)との間で協議が行われ、独占的な交渉権を有する基本合意書を締結。6月末日の最終契約・締結を目標に交渉を続けていた。
CCCはHMVの音楽・映像系のパッケージソフトの専門小売業者としての顧客基盤・ブランド・事業ノウハウ、EC事業を評価。さらに事業取得に伴い、会員数3,400万人超のTカード事業、全国1,400店舗程度の流通網を持つTSUTAYA事業のリアル店舗とのネットワークとの相互利用や機能の補完により、両社の顧客価値向上、音楽映像ソフト販売市場の活性化を目指していた。「HMV」ブランドは存続させる方針だった。
今回の件に関しCCCは「(3月25日以降)事業展開の方針や各種条件等について、関係当事者間で協議を続けてきたが、最終合意には至らなかった」とコメントしている。
HMVは今年に入り店舗の閉店が相次いでおり、6月20日には「銀座インズ」店が閉店。8月22日には旗艦店である渋谷店の閉店が決まっている。