「こどもの城」隣のビル「アミーホール」(渋谷区渋谷1)にアーティスト生石(しょうせき)さん描くウォール・ペインティングが、1カ月の制作期間を経て完成目前に迫った。
青山通り沿いに面する円形のファサードが特徴の同ビル。貸し会議室、レンタルオフィス、イベントホールなどで成る8階建ての建物で、これまでスプレーなどを使ったいたずら書き・落書きに繰り返し悩まされてきた。
同企画は、同施設を管理する「E.M デザイン建築工房」が依頼した。生石さんは2005年、千葉県柏市内で知人が営む理髪店のシャッターにペインティングを展開。するとそれまでは「ひどかった」落書きが「ピタっと止まった」という。同店に利用客として通い、この話を耳にした同社社員が生石さんに話を持ちかけた。
同ビルの表参道側にせり出した壁面全体がキャンバスに。壁に固定された非常階段に「(話を持ちかけられて)高揚した自分の気分」をそのまま重ね合わせ、赤・青・黄・白の原色から成る有機的な曲線のパターンを描き、「だんだんと上に登っていく」イメージに仕上げた。4月初旬からの不安定な天候の中、何とか作業を進め、現在は作品が壁全体を覆う状態。
生石さんは「初めは高い所が怖かったが、描いていると忘れることができた。塗装職人さんと話したり、通行人の方からも声を掛けてもらったりした」と振り返る。今後については、「もともと床屋さんとの縁でスタートした企画。出会いに感謝しながら、次につなげていければ」とも。
作品は「あと1日か2日で完成する」。