日本マクドナルド(千代田区)は4月25日、今月中旬から広域渋谷圏など都心13店舗で改装を進めていた「新世代デザイン店舗」をオープンした。
当日、オープンに先駆けスパイラルホール(港区南青山5)で行われた事業戦略発表会で、原田泳幸CEOは「店舗の内外装を見ても、あまりブランドを感じない。看板を外すとマクドナルドか他のバーガーチェーンか判断できない。マクドナルドらしさ、強烈なグローバルブランドを持っている商品は、必ず会社名を見なくても識別できるのがブランド力。そうした店舗デザインを目指していく」とし、「その店舗だけのメニューなど今まで以上のお客さまの店舗体験、価値を向上させていきたい。今回、外に一切ポスター類を掲出せず、店舗の魅力でお客さまをお招きするということを目指す。店内もポスターの洪水というのはやめ、MD(マーチャンダイジング)はスマートに、一番大事なポジションに制限し、デジタルMDという手法を導入した」と話す。
仏デザイナーのフィリップ・アバンズィさんがデザインを手がけた「新世代デザイン店舗」は、2006年にフィリップさんがデザインしたヨーロッパの店舗を「日本の環境に合わせて開発した」もの。実際にフィリップさんが店舗を視察し、「各店ごとの客層や雰囲気、環境などからイメージし、新たに開発した」という。
今回新たに導入する店舗デザインは、壁面に野菜や調理器具の写真などをあしらい「新世代デザイン店舗のスタンダード」となる「Qualite(クオリテ)」、ベンチスタイルのテーブルやいすなどの家具や木彫ブラインドの什器などを使用するビジネス街向けの「Edge(エッジ)」、幅広い客層を想定し、いすや机・装飾材などを「鮮やかな色彩」でコーディネートした「Food(フード)」、店内を「ベジタブルカラー」で彩った「Fresh(フレッシュ)」、壁面を「アンティークレンガ調」に仕上げた「Extreme(エクストリーム)」の5つのパターンを用意。
広域渋谷圏の店舗では、渋谷東映プラザ店(渋谷区渋谷1)・渋谷センター街店(宇田川町)・青山店(港区北青山3)=「クオリテ」、渋谷店(神南1)・南青山店(神宮前5)=「フード」、渋谷丸井店(神南1)=「フレッシュ」、原宿竹下通り店(神宮前1)=「エクストリーム」。
「新世代デザイン店舗」は、店内約9割の照明をLEDにし、全面禁煙化、席数を非表示にするなど、「これまでのマクドナルドのイメージを刷新する取り組み」を行うほか、クルー(スタッフ)ユニホームを一新。店内で流すBGMでは、クリス・ペプラーさんをパーソナリティーに迎え、「時間帯に合わせて選曲した楽曲」やJ-WAVEで放送している「McDonald's TOKIO HOT 100」のスピンアウト番組を放送。ほかにも、一部(全94メニュー中64品)メニューの首都圏価格より10円~50円高い価格で提供する「新価格体系」を導入するほか、「100円マック」の提供は行わないという。
各店の通常営業は26日から(渋谷東映プラザ店は27日から、青山店のみ6月オープン)。