深夜帯は女性専用となる複合カフェ「カフェMELT(メルト)渋谷店」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-5456-9833)が渋谷・百軒店にオープンし、1カ月が過ぎた。
フリーペーパー「VOICESマガジン」の発行や夜の声掛け、電話・メールでの面談などを通して「居場所のない子どもたちが自分を表現し、社会につながりを持ち、自立できるようになること」を目指すNPO法人「bondプロジェクト」が「サポートショップ」と位置付け開いた同店。これまで街頭などで1,500人以上の若者たちに取材を行ってきた同NPO代表の橘ジュンさんが「若者たちの『居場所』の必要性を痛切に感じた」ことをきっかけに活動の一部を独立法人化、「株式会社MELT」として、同店の運営をスタートさせた。
店内は、「ブースエリア」18席(内レディスエリア5席)に加えて、エントランス部分に「オープンエリア」8席と、カフェ単体として利用可能な「カフェエリア」8席を設ける。天井が高く開放感のあるエントランスと、「扉のない」ブース席によって「インターネットカフェ特有の『閉鎖性』を払しょく」。「広い視野を持つことができ、交流が生まれていくような、開放的なインターネットカフェ空間になれば」と同店スタッフのタダケンジロウさん。
約6千冊のコミックと雑誌30誌を取りそろえ、各ブースには個別にPCを置く。シャワールームや更衣室を設けて全面禁煙にする(喫煙所有り)などのサービスに加え、23時~翌7時の時間帯は女性専用となる。「(bondでの)ネットカフェ難民への取材体験から、若い女性でも安心して夜を過ごせるネットカフェの必要性を感じるようになった」とタダさん。
利用料金は、オープンエリア=360円、ブースエリア=480円(各1時間あたり)。8時間パック=1,800円~。カフェスペースでは、オーガニックコーヒー(360円)のほか、モーニングセット、ランチセットなども販売する。
これまで、「近所(=円山町、百軒店エリア)で『夜の仕事』をする女性や、次の日朝早い(だろう)女性」などの利用が見られるという。施設内にはbond事務局を併設し、「若者の声を聞き取材していく」ための相談ルームも設ける。橘さんは「渋谷は若い子が集まり、いろいろな文化が見られる」とし、「これからもいろいろな子の話を聞ければ」と話す。