渋谷・宮益坂の防衛省・自衛隊の広報スペース「自衛館」(渋谷区渋谷1)が3月8日、契約満了のため閉館した。
2008年7月にオープンした同スペースは、防衛省・自衛隊が自衛官の募集拠点として開設した施設で、運営は博報堂(港区)に委託していた。今回の閉店は契約満了のため。
防衛省・陸上幕僚監部の担当者は「当所から2年間の契約だった」とし、「10~20代の若い方の来店を見込んで開設したが、オープンしてみると30代以上の方や、親御さん世代の方もいらっしゃった」と振り返る。
スペース内には、自衛隊員募集パンフレットや同省が編集協力している雑誌「MAMOR(マモル)」を置くほか、陸・海・空の制服や艦船模型などを展示。制服は、海上自衛隊のセーラー服や陸上自衛隊の迷彩服、制帽など実際の現場で使用されているものをそろえ、試着や写真撮影(無料)も可能だった。ガラスケースには、航空自衛隊の「ブルーインパルス」や護衛艦「イージス艦(1号)」に加え、陸上自衛隊の「73式小型トラック」チョロQなどの模型も展示。壁面には、自衛隊のポスターやカレンダー、戦闘機の写真パネルなどを展示し、モニターでも自衛隊のDVDなどを上映していた。
同担当者は「当スペースを開設して募集人数が増加したという結果は出ていないが、来館をきっかけに募集した方はいたという話は聞いている」と話す。「今後の展開は未定だが、今回の成果を基に広報活動を行っていきたい」とも。
昨年11月に行われた「事業仕分け」では、年間約1万人超の来館者しかないことなどを踏まえ、その効果が疑問視された同スペース。結果的に、同スペースを含む「防衛省の広報・募集事業」については「予算縮減」と判定されている。