トーキョーワンダーサイト(TWS)渋谷(渋谷区神南1、TEL 03-3463-0603)で、東京都主催の若手アーティスト公募展「ワンダーシード2010」の開幕を翌日に控えた3月5日、石原慎太郎都知事らを迎えて開会式が行われた。
今年で8回目を迎えるワンダーシードは、東京都のアート支援プログラム「TWS」の公募企画として2003年に始まった「0号展」が前身。若手アーティストの作品と美術愛好家との「出会いの場」となることを目指してスタートし、「BUY = SUPPORT」をコンセプトに全国公募から選出した10号以下の小作品を展示販売してきた。
今年の応募総数は964点で、うち101点が選ばれた。審査員は、同企画を発案した石原慎太郎都知事のほか、インディペンデント・キュレーター・窪田研二さん、ギャラリスト・小山登美夫さん、コレクター・宮津大輔さん、TWSの今村有策館長。「違った視点から選んでもらえれば」と、売り手・買い手など異なる分野で活躍するキーマンを配した。
開会式当日は、互いの作品を見せ合うアーティストやギャラリストと交流する姿などが目立った。今村館長は「ワンダーシードも8回目。これまで入選した作家の中からは、すごく力を発揮して、国際舞台に参加する作家や個展へと結びついた作家もいる」とし、アーティストらに向けて、「今回も、これから抜きん出ていく人たちとともに仕事をするのを楽しみにしている」とあいさつした。
石原都知事は「新しい芸術作品というのは『ゲテモノ』じゃなきゃいけない。他の人が安心するような作品ではダメ」と独特の言い回しでアーティストを激励。「一度褒められても、自分の作品を模写するようになったら終わり。これからの古典になってやろうという勢いで、自信をもって『ゲテモノ』になれ。頑張れ」と締めくくった。
これを受け、自称「サラリーマン・コレクター」の宮津さんはコレクターへ向けて、「ゲテモノは、最初は誰も買わない。今が買い」と話した。今回は「3作品ほど買った」とも。
作品価格は105円~5万円。同会場と、現代アート専門サイト「TAGBOAT」で販売する。開館時間は11時~19時(入場は閉館30分前まで)。入場無料。今月20日まで(8日・15日は閉館)。