南青山・骨董(こっとう)通りに3月2日、京都市が着物のアンテナショップ「白イ烏(からす)」(港区南青山5、TEL 03-3498-8588)をオープンした。
同店は、「普段着物を着る機会のない人たちにも『着物ファッション』を身近に感じてもらうこと」を目的に出店。首都圏に京都産の和装関連商品を扱うアンテナショップを開設することで、消費者ニーズに関する情報収集、生産者へのフィードバックを行い、「現代の消費者の感性にマッチした製品作り」を促進、「京都の和装産業の活性化を図る」という。
開設場所について、京都市産業観光局商工部伝統産業課の担当係長外池順一さんは「ターゲットは20代後半~40代のファッションに関心のある働く女性。着物をファッションの一つとして認識してもらうためにも洋、服ファッションの情報発信拠点への出店にこだわった。比較的安価なファストファッションではなく、一定の金額を出してでも自分らしいファッションを楽しむ方々が集う場所を探したところ、首都圏でもこの場所だった」と話す。
店名は「白い動物は高貴であると言われている」「ヤタガラスのように、カラスは神聖な動物とされている」ことなどから命名。ロゴマークは、グラフィックデザイナーの北川一成さんが考案した。
店舗面積は1階・2階合わせて約34坪。ガラス張りのファサードにはロゴマークを掲出。店内の壁にはしっくいを使用したほか、京都産の北山杉の丸太「北山丸太」などの木材を使い、「シンプルでモダンな和空間」を演出した。
日本の伝統色や文様だけにこだわらず、「生活の中で目にする色やシンプルな幾何学模様などの商品」も扱う同店。価格は、「帯」「着物」ともに10万円台~30万円台。
2月28日、オープンに先立ち行われた記念式典には鳩山幸首相夫人やモデルでタレントの西山茉希さん、門川大作京都市長らが出席。同店について、「来日された方は必ずと言って良いほど青山かいわいに立ち寄るので、(ここに)『京都のほんまもん』があるのは素晴らしい」(鳩山さん)、「青山はおしゃれな人が集まる場所なので、お店を知らない人でも立ち寄れそう」(西山さん)と話した。
「お買い求めいただかなくても結構なので、着物に関してわからないことや知りたいことがあればぜひいらしていただきたい。着物に関する皆さんの声もお聞かせいただければ」と外池さん。
営業時間は12時~20時。