自主映画業界で注目を集める新人監督・真利子哲也さんの長編劇場デビュー作「イエローキッド」が1月30日より、渋谷のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0211)で公開されている。
1981(昭和56)年東京都生まれの真利子監督は、法政大学在学中から映画制作を始め、「ゆうばりファンタスティック映画祭」「オーバーハウゼン国際短篇映画祭」など国内外の映画祭で多くの賞を受賞。自主映画業界での高い評価を受け、2006年に「パビリオン山椒魚」(冨永昌敬監督)、2007年に「クワイエットルームにようこそ」(2007年、松尾スズキ監督)などにメーキング・ディレクターとして参加。同年、東京藝術大学大学院映像研究科に入学し黒沢清監督に師事してきた。
ボクサー志望の青年と漫画家という2人の登場人物を軸に、現実と虚構が交錯する独自の演出が特徴の同作品。大学院修了作品として監督した初の長編映画で、200万円の制作費と10日間の撮影期間で制作した。全国独立系映画館主のネットワーク「シネマ・シンジケート」が「最も将来性を期待する」新人監督作品「New Director/New Cinema 2010」として同作を選出したことから、劇場公開が決まった。
今回の上映に向けて、真理子監督は「イエローキッドが、これまでの自主映画のイメージを打ち破る、劇場で堂々と『映画』として上映される自主映画のパイオニアになれれば」と意気込む。
ユーロスペースほか、シネマ・シンジケート加盟館を中心にした全国のミニシアターで順次公開予定。