仏の老舗インディーズ・レーベル「サラヴァ」のレーベルオーナーで、音楽家や俳優としても知られるピエール・バルーさんが12月23日・24日、渋谷「アップリンク・ファクトリー」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)で音楽ドキュメンタリーの上映&トークイベント「ピエール・バルーの花粉現象」を開催する。
1934年フランス生まれのバルーさんは、1965年に同レーベルを設立。「ラジオのように」(ブリジット・フォンテーヌ、1969年)など先鋭的な作品を数多くリリースしてきた。俳優としては1966年にはクロード・ルルーシュ監督作「男と女」に夫役で出演したほか、映画音楽としてフランシス・レイさんとともにブラジルのサンバを取り入れた「Samba Saravah」を手がけ、同作のヒットとともにブラジル音楽をフランスに紹介した人物として知られる。日本とも親交が深く、坂本龍一さんやムーンライダースなどともレコーディングやコンサートなど積極的に行っている。
「考えや思想は、一度、人が発表すると、風が吹いて花粉が広まるように人の心や頭の中に落ちて、そこからどのような芽が出るか分からない」というバルーさんが、「アップリンクに種をまいてみよう」という思いで企画したという同イベント。会場では、これまでにバルーさんが制作した音楽ドキュメンタリー「サラヴァ」「アコーデオン」を上映しながら、バルーさん本人が解説を行う。
「サラヴァ」は、バルーさんが1969年にリオでブラジル音楽を取材しながら、さまざまな音楽家たちとの出会いを描いたロードムービー。「アコーデオン」は、1991年にフランス南西部の町チュールで開催された、アコーディオン演奏家・バンドを特集したフェスティバルのドキュメンタリー「真珠貝の夜・チュール」の再編バージョン。会場ではそのほか、緒方拳さんも出演する短編ドキュメンタリー「時と時刻」や、ヒロトモヒロさんや中村善郎さんらと共に日本全国を回ったツアーを記録した「Parcours 行程」も併映する。
アップリンクのイベント企画担当の倉持政晴さんは「ピエール・バルーさんは、自身が『花粉』であるかのように一つの場所に定住しない人。彼が今東京に滞在されていることを多くの方に知ってもらいたい。アップリンクでのイベントでどんな『花』を咲かせるのか期待してもらえれば」と話す。
開催日時は、12月23日=19時開演、24日=19時30分開演(開場は開演の30分前)。入場料は、前売り=2,500円、当日=3,000円ほか。