30年以上にわたって高野山を撮り続けている写真家・永坂嘉光(よしみつ)さんの個展「神護寺・空海の輝き」が12月5日、複合アート施設「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ・アパート)」(渋谷区恵比寿1)2階の「G/P GALLERY」(TEL 03-5422-9331)で始まった。
1948(昭和23)年、和歌山県生まれの永坂さんは大阪芸術大学を卒業し、「宗教と文化」をテーマに日本各地やインド、ブータン、スリランカなどアジア各国を取材する写真家。1970(昭和45)年ごろから高野山の撮影を始め、これまで同地をテーマに「高野山」(毎日新聞社刊、1980)、「永遠の宇宙 高野山」(小学館刊、2001)など多くの写真集を出版している。
同展は、永坂さんが写真家として初めて撮影の許可を受けた「神護寺」(京都市右京区)の国宝で秘仏の「五大虚空菩薩」を中心とする写真展。神護寺では今年11月、「空海像」の特別公開などを行う「弘法大師空海入山千二百年紀」を開催。展示作品は、その際に神護寺で行われた永坂さんの写真展「空海の歩いた道」で紹介されたもので、五大虚空菩薩を中心に、同じく国宝の金剛界曼荼羅など約7点で構成する。
紅葉の名所としても知られる神護寺は、真言密教の開祖である空海が824年に開いた古刹(こさつ)。空海は同寺の住職として14年を過ごしており、日本に密教を広めるうえで重要な拠点となったと言われる。
開催時間は12時~20時。月曜定休。入場無料。今月27日まで。